研究課題/領域番号 |
16H05264
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学・公衆衛生学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
西村 泰光 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (90360271)
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研究分担者 |
大槻 剛巳 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40160551)
武井 直子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00509276)
李 順姫 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70414026)
吉留 敬 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40304307)
松崎 秀紀 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80335463)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 悪性中皮腫 / 石綿 / 免疫 / 産業衛生 / 予防 |
研究成果の概要 |
石綿関連良性疾患であるびまん性胸膜肥厚(DP)患者と悪性中皮腫患者(MM)の末梢血を用いた包括的免疫機能解析を行った。解析結果は、Tヘルパー細胞および細胞傷害性T細胞機能(CTL)における差異が特徴的であった。MMでは制御性T細胞機能指標であるGITR発現量が高値である一方、CTLにおけるperforin発現量がDPに比べて低く、免疫機能抑制とMMとの関連を示唆する。また、因子分析より抽出された2因子によりDPとMMは明確に区別された。また重回帰分析より導かれた2数式によるスコア値は何れも良好にMMを判別するAUC高値なROC曲線を示し、免疫学的予防診断指標構築の可能性を示す事ができた。
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自由記述の分野 |
衛生学, 免疫学, 免疫毒性学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性中皮腫は石綿曝露後約40年後に発症することが知られており今後我が国では中皮腫患者の一層の増加が見込まれ、また災害や管理不良な解体作業に起因する石綿曝露は今後も継続的に予想され、中皮腫を早期に診断する、あるいは予見することが社会的に喫緊に要請されている状況にある。本研究成果は、石綿曝露の免疫機能影響という我々独自の視点に基づく内容を中皮腫患者およびびまん性胸膜肥厚患者末梢血の免疫機能解析に発展させることで悪性中皮腫と免疫機能の関わりの解明に迫る学術的意義を持つと共に、その結果を基に免疫学的中皮腫予防診断指標の構築の可能性を実証したという社会的意義を持つ。
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