研究課題/領域番号 |
16H05287
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山崎 隆弘 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00304478)
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研究分担者 |
藤澤 浩一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00448284)
高見 太郎 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60511251)
佐伯 一成 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60634756)
山本 直樹 山口大学, 大学教育機構, 准教授 (90448283)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / 膵癌 / 鉄キレート剤 / deferasirox / deferoxamine |
研究実績の概要 |
肝細胞癌での経口鉄キレート剤の検討:3種類の肝癌細胞株(HepG2, Hep3B, HuH7)に対して鉄キレート剤であるdeferasirox(DFX)の効果MTTアッセイおよびCaspase-3活性で検討し、容量依存的な細胞増殖抑制効果とCaspase-3活性誘導を確認した(in vitro)。さらに肝腫瘍作成マウス(DEN投与により5カ月後肝腫瘍発生)を用いたDFX投与(12週間)においても腫瘍抑制効果を認め、生存率も改善した(in vitro)。さらにDFXによる体重減少もなく、DFXにてALTの有意な低下を認めた。また腫瘍部と非腫瘍部においてHepcidin,Transferrin receptor1,Hif-1αの有意な変動を認めた。 膵癌での経口鉄キレート剤の検討:3種類の膵癌細胞株(BxPC-3, HPAF-II, Panc10.05)において容量依存的な腫瘍増殖抑制効果を認め、低用量(10μM)でS期において細胞周期の休止を、高容量(50, 100μM)でアポトーシスを誘導することを確認した(in vitro)。さらにBxPC-3において塩酸ゲムシタビン(Gem)とDFX併用による相乗効果についても検討したところ、DFX単剤と比較し、有意な増殖抑制効果、Late apoptosisの増加、Caspase活性の上昇を示した。 肝細胞癌では、in vitroおよびin vivoでのDFXの腫瘍抑制効果を確認し、膵癌では、in vitroにおいてDFXの腫瘍増殖抑制効果ならびにGem併用による相乗効果を確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝細胞癌においてはin vitroおよびin vivoの両者から治療効果が確認し、膵癌においてもin vitroの治療効果確認し、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、膵癌においては、膵癌細胞株をヌードマウスに移植したモデルを作成し、DFX単独治療およびGem+DFX併用治療での解析を行う。さらにdeferoxamin (DFO)耐性肝癌細胞株を樹立させ、メタボローム解析を行い、鉄キレート剤の代謝変化を解析し、他の併用治療を探索する。
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