研究課題
肝がん細胞株(Huh7)と子宮頸がん細胞(HeLa)を用いて鉄キレート剤(deferoxamine,DFO)耐性株の解析を行った。耐性株の遺伝子発現解析では解糖系の遺伝子の発現増加など興味深い変化が認められた。さらに代謝産物の測定をメタボローム解析で行ったところ、解糖系に関わる代謝産物の増加とミトコンドリア活性の抑制が確認された。また核酸のサルベージ回路の上昇などが認められ、耐性に関与している可能性が示唆された。膵癌の代表的な抗がん剤であるゲムシタビン(GEM)との併用療法について解析を継続した。GEMと経口鉄キレート剤(deferasirox,DFX) を併用した新規膵癌治療法の有効性について膵癌細胞株BxPC3を用いてヌードマウスに移植したモデルを作成し、 in vivo で検討を行った。GEM+DFX併用群は、GEM単独群およびDFX単独群と比較し、有意な増殖抑制効果とアポトーシスの上昇を認めた。またDFXの作用機序についても解析した。さらに、これまでに1種類の膵癌細胞株を用いて評価していたCell proliferation、Apoptosis analysis、Caspase analysisについて新たに複数の膵癌細胞株で評価を行い、併用療法が広く有用であることがわかった。
2: おおむね順調に進展している
肝細胞癌においては、DFO耐性株を樹立し、メタボローム解析を探索しており、膵癌に関しては、in vitro解析でのGEM+DFX併用に有用性が証明できた。
肝細胞癌に関しては、今後得られたDFO耐性機構の情報より代謝の変化を利用した抗癌療法の開発を進めていく予定である。また、膵癌に関しては、DFXの作用機序を解明する。
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