研究課題
Cygbノックアウト且つトランスジェンックマウスを用いて4種類の肝炎症・線維化モデルマウスを作製したところCygb欠損では炎症や線維化が増悪するのに比較して、過剰発現させると全ての病態モデルで肝臓が保護されることを確認した。一方、ジエチルニトロサミンによる発がんモデルについても検討し、Cygb欠損は既報のごとく発がんを促進するが、過剰発現は発がんを抑制する事が明らかとなった。さらに、ヒトの肝硬変や肝癌組織におけるサイトグロビン発現は低下する事、それには遺伝子エピゲネチック変異が関わることを突き止めた。一方、fibroblast growth factor 2 (FGF2)はヒト星細胞のCygb発現をJNK-cJun経路で増加させる因子である事を報告したが(J Biol Chem 2017;292:18961)、今回の研究でtransforming growth factor (TGF)βがヒト星細胞においてSmad2-SP3経路を用いてCygb発現を負に制御することを明らかにした(論文執筆中)。Cygbの発現低下は細胞内のラジカル消去能を減弱させる事、それに伴い酸化的DNA損傷マーカーである8OHdGが星細胞で蓄積する事実を見出した。ヒトの慢性肝障害組織においてもSmad2のリン酸化はCygb発現減弱とリンクし、さらに8OHdG発現と密接に関与すした。これらの事実はヒトの脂肪性肝炎など酸化ストレスが関与する病態解明の一助になることが期待された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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