研究課題
H. pylori感染細胞におけるオートファジー発現は本菌由来がん蛋白質CagA分解を担うため、癌化抑制に寄与する重要な宿主応答である。しかし、CD44v9発現癌幹細胞では、このオートファジーが発現せず細胞内CagAが分解されずに蓄積するため、胃癌発生・再発に関連する癌幹細胞となると考えられた。CagAのオートファジー分解はautophagosome形成だけでなくLAMP1依存性autophagolysosome形成にも必須であり、我々はアクチン重合制御因子CAPZA1が核内でLRP1-ICDと結合しLAMP1発現を阻害することを明らかにし、かつ、オートファジー発現不全のCAPZA1過剰発現細胞にCagAが装填されるとCagAは分解されずにCD44v9発現が亢進することを示し、CD44v9発現癌幹細胞を標的するためにCD44v9発現の標的に加え核内移行した大量のCAPZA1を標的する必要があると考えた。そこで、CD44v9を標的しCD44v9陽性細胞特異的自殺因子を細胞質内送達する目的で、ヒトSyncytin1由来膜透過促進ペプチドS19とTAT とを組み合わせたところ、細胞質内送達効率を数十倍に向上しえた。さらに初期エンドソーム(EE)と後期エンドソーム(LE)の脂質膜組成模倣リポソームを調製しS19-TATペプチドを作用させたところ、S19-TATはEEではなくLEから細胞質に離脱し、S19-TATは、細胞内異物分解機構から離脱可能であることが示された。次に、CD44v9陽性細胞に標的物質を特異的送達するためmRNAディスプレイ法で取得した抗CD44v9一本鎖抗体とヒト由来膜透過促進ペプチドを融合した蛍光タンパクを大量精製しCD44v9陽性細胞選択的な細胞内取り込みを確認した。以上から、CD44v9発現細胞標的療法の基盤が構築された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 12件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 15件、 招待講演 13件)
Autophagy
巻: 15 ページ: 242-258
10.1080/15548627.2018.1515530
United European Gastroenterology Journal
巻: 7 ページ: 250-260
https://doi.org/10.1177/2050640618817689
巻: 6 ページ: 398-406
https://doi.org/10.1177/2050640617726466.
J Clin Biochem Nutr.
巻: 63 ページ: 230-232
10.3164/jcbn.18-5.
APMIS
巻: 126 ページ: 913-921
10.1111/apm.12904
Anticancer Res.
巻: 38 ページ: 6163-6170
10.21873/anticanres.12969.
J Neurogastroenterol Motil.
巻: 24 ページ: 577-583
10.5056/jnm18036
World J. Gastroenterol.
巻: 24 ページ: 4061-4068
10.3748/wjg.v24.i35.4061
Hepatology Communications
巻: 2 ページ: 1111-1122
10.1002/hep4.1230.
巻: 24 ページ: 1419-1428
10.3748/wjg.v24.i13.1419.
巻: 6 ページ: 391-397
https://doi.org/10.1177/2050640617737215.
Gut
巻: 67 ページ: 1425-1433
10.1136/gutjnl-2016-312230.