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2018 年度 実績報告書

心不全および不整脈病態形成に関わる遺伝子異常と発現異常の解明と治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16H05296
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

木村 彰方  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60161551)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 循環器・高血圧 / 生体分子
研究実績の概要

既知の心筋症関連67遺伝子を対象として、心筋症患者の変異検索を実施し、肥大型心筋症成人症例の約半数でサルコメア変異が見出されるのに対して、小児期発症の肥大型心筋症では約80%の症例にサルコメア変異を中心とする変異が見いだされること、1/3の症例は新生変異であること、1/3の症例では複合変異であることが明らかになった。また、心室中隔の肥大が著明なMVO型の肥大型心筋症ではサルコメア変異はほとんど見出されず、通常の肥大型心筋症とは変異パターンが大きく異なることが判明した。また、既知の原因遺伝子に変異がない進行性伝導障害多発家系2家系の網羅的変異解析を実施したが、両家系に共通する原因遺伝子座のバリアントがなかったことから、少なくとも2つの新規原因遺伝子座の存在が示唆された。さらに、肥大型心筋症を対象とした網羅的変異解析から、複数の症例でFHOD3を見出したことから、FHOD3は新規の肥大型心筋症原因遺伝子であると考えられた。一方、心筋虚血は心筋ストレスの大きな要因であるため、網羅的ゲノム解析で同定した虚血性心疾患関連遺伝子であるMKL1を高発現するトランスジェニックマウスを樹立し、ApoEノックアウトマウスとの掛け合わせ実験から、MKL1の高発現は脂質異常症を伴わない動脈硬化の進展因子であることを明らかにした。加えて、スプライシング制御因子であるRBM20の変異がタイチンを始めとする心筋構成要素のスプライシング異常をもたらすことをin vivoの解析で明らかにした。また、拡張型心筋症の原因遺伝子座がマップされる領域内に存在するNFKBIL1遺伝子がスプライシング制御因子であることに着目した解析を実施し、NFKBIL1が自然免疫やアポトーシスに関わる遺伝子のスプライシング制御を行うことを明らかにし、これが拡張型心筋症の発症因子の一つとなることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件)

  • [国際共同研究] Columbia University/Indiana University/University of California(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Columbia University/Indiana University/University of California
  • [雑誌論文] MRTF-A regulates proliferation and survival properties of pro-atherogenic macrophages2019

    • 著者名/発表者名
      An J, Naruse TK, Hinohara K, Soejima Y, Sawabe M, Nakagawa Y, Kuwahara K, Kimura A
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Cellular Cardiology

      巻: 未定 ページ: In Press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Overexpression of heart-specific small subunit of myosin light chain phosphatase results in heart failure and conduction disturbance2018

    • 著者名/発表者名
      Arimura T, Muchir A, Kuwahara M, Morimoto S, Ishikawa T, Nakao S, Machida N, Tanaka R, Yamane Y, Hayashi T, Kimura A.
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology Heart and Circulatory Physiology

      巻: 314 ページ: H1192-H1202

    • DOI

      10.1152/ajpheart.00696.2017

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Phosphorylation of the RSRSP stretch is critical for splicing regulation by RNA-Binding Motif Protein 20 (RBM20) through nuclear localization2018

    • 著者名/発表者名
      Murayama R, Kimura K, Togo-Ohno M, Yamasaki-Kato Y, Naruse TK, Yamamoto T, Hayashi T, Ai T, Vatta M, Iizuka M, Saito M, Wani S, Hiraoka Y, Kimura A, Kuroyanagi H
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 8970

    • DOI

      10.1038/s41598-018-26624-w

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Genetic background of Japanese patients with pediatric hypertrophic and restrictive cardiomyopathy2018

    • 著者名/発表者名
      Hayashi T, Tanimoto K, Yamada K, Tsuda E, Ayusawa M, Nunoda S, Hosaki A, Kimura A
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics

      巻: 63 ページ: 989-996

    • DOI

      10.1038/s10038-018-0479-y

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinical and genetic background of hypertrophic cardiomyopathy with midventricular obstruction2018

    • 著者名/発表者名
      Inagaki N, Hayashi T, Takei Y, Tanimoto K, Chikamori T, Kimura A
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics

      巻: 63 ページ: 1273-1276

    • DOI

      10.1038/s10038-018-0509-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Alternative splicing regulator RBM20 in cardiomyopathy2018

    • 著者名/発表者名
      Watanabe T, Kimura A, Kuroyanagi H
    • 雑誌名

      Frontiers in Molecular Biosciences

      巻: 5 ページ: 105

    • DOI

      10.1016/j.micinf.2018.10.001

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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