研究課題/領域番号 |
16H05301
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 能彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30250260)
|
研究分担者 |
熊澤 拓也 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (10745441)
尾上 健児 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (90510173)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | sFlt-1 / CKD / LncRNA |
研究成果の概要 |
心腎連関の分子機序は十分に理解されていない。本研究では、慢性腎臓病では胎盤由来増殖因子(PLGF)の産生が増加し、PLGFの内因拮抗物質であるPLGF特異的受容体(Flt-1)の可溶性アイソフォームであるsFlt-1の産生が低下することにより、PLGF/Flt-1系が活性化していることを証明した。その結果その下流に存在するMCP-1の活性化が心不全発症に関係していること、また、Flt-1下流でMEKに直接結合し、MEK活性を抑制する新規のLnc RNAXを同定し、それが心肥大や心不全の発症に関係していることを発見した。これらの分子は心腎連関の分子機序に関与し、創薬の対象となる可能性を示した。
|
自由記述の分野 |
循環器内科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心腎連関は、よく知られた現象であるが、過去には、血行動態的に理解されていたが、その基盤に存在する分子機序は不明な点が多かった。しかし、今回、腎機能が低下すると、尿毒症毒素や参加ストレスを介して、血管内皮からのPLGFの産生が増加し、その内因性の拮抗物質である可溶性Flt-1の産生が低下した結果、心不全の発症につながることを実験的に証明した。また、Flt-1の下流に存在するMCP-1の関与と、新規に発見したnon-cording RNAがMEKを阻害する作用を介して介在していることを世界で初めて提唱した。
|