研究課題/領域番号 |
16H05303
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
佐藤 徹 杏林大学, 医学部, 教授 (20170764)
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研究分担者 |
片岡 雅晴 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (20445208)
蒲生 忍 杏林大学, その他部局等, 特任教授 (90122308)
吉野 秀朗 杏林大学, 医学部, 教授 (90129734)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 循環器病学 / 遺伝子学 |
研究実績の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は生命予後不良の難治性疾患であり、BMPRⅡ変異が発症に関与するが、すべてをBMPRⅡのみの変異で説明することはできない。若年女性に多く発症することや、妊娠・出産後の発症が多いこと、また、BMPRⅡ遺伝子変異を有する家系内でも発症者と未発症者が存在することなど、発症原因については未だ未解明な領域が多く存在し、潜在する遺伝的背景やepigeneticな修飾による制御が関与することを強く示唆する。BMPRⅡ遺伝子以外の原因遺伝子が存在する可能性もある。本研究においては、PAH患者未発症者を含めた患者の末梢血、剖検組織等を試料に、BBMPRⅡ以外の新規発症原因遺伝子の同定、BMPRⅡの多世代家系試料の全ゲノム解析、転写制御領域のメチル化解析、選択的スプライシング解析、non-coding RNA、特にBMPRⅡに結合しその安定性に関与するlincRNAによるepigeneticな発現または機能抑制の可能性を検討する。PAH発症を制御するepigeneticな病態メカニズムの可能性を解明し、さらに、それぞれの項目をin vitroの系やPAH動物モデルを用いたin vivoの系で、BMPRⅡ発現やBMPRⅡを介する細胞内情報伝達に与える影響も探索する。当該年度は、患者検体の収集、NGS解析の実施を行い、BMPRII遺伝子以外の新規発症原因遺伝子候補の同定、BMPRII遺伝子変異から発症までのepigenetic制御に関わる可能性の高い因子の同定に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体収集や解析系の確立に当初の予定通りに進んでおり、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
新規発症原因遺伝子候補の発症との関連をin vivoおよびin vitroの系で詳細に検討する。また、BMPRⅡに結合しその安定性に関与するlincRNAによるepigeneticな発現または機能抑制の可能性を検討する。PAH発症を制御するepigeneticな病態メカニズムの可能性を詳細に解明し、さらに、それぞれの項目をin vitroの系やPAH動物モデルを用いたin vivoの系で、BMPRⅡ発現やBMPRⅡを介する細胞内情報伝達に与える影響も探索する。
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