研究課題
基盤研究(B)
筋強直性ジストロフィー(MyD)は、成人で最も多い遺伝性筋疾患で、骨格筋だけでなく、心筋や脳など多臓器が侵される。本症では、伸長したCTGリピートから転写された異常RNAが、スプライシング調節機構を障害して広汎なスプライシング異常を引き起こす。本研究では、MyDの病態の中心となる異常RNAをターゲットとして、核酸医薬や低分子化合物を用いた治療法開発を行い、モデル動物における骨格筋、心筋、中枢神経系での治療効果を実証した。
神経内科学
医学だけでなく薬学・化学生物学の革新的技術を応用した本研究の成果により、MyDの全身症状を統合的に改善する包括的治療法確立への道が拓かれた。こうしたMyD治療法の確立は、現在治療法がなく、進行する筋萎縮のため慢性臥床状態となり、呼吸不全や心不全で不幸な転帰をとる世界中の多くのMyD患者(推計総数50万人程度)の福音となる。