研究課題
1) GIP分泌におけるFABP5の役割:FABP5の細胞内局在に関する組織学的検討を行った。経口脂肪負荷前後でマウスの上部小腸を摘出、FABP5抗体による染色ののち、共焦点レーザー顕微鏡・免疫電子顕微鏡を用いて観察したところ、FABP5は脂肪負荷前にはK細胞の核内・細胞質に存在していたが、負荷後一過性に核内の局在が消失した。経口糖負荷後の観察では、FABP5の細胞内局在変化は認めなかった。GIP分泌における本現象の意義については今後詳細な検討を要する。2) GPR120シグナルとのGIP分泌との関連性の検討:野生型(WT)、GPR40およびGPR120ダブル欠損(DKO)マウスを用いて経口ブドウ糖・コーン油負荷試験(OGTT・OCTT)を行った。OGTTではGIP分泌にWTマウスとDKOマウスに有意差を認めなかった。一方、OCTT時にはDKOマウスにおいて有意なGIP分泌を得られなかった。GIPレポーターマウスと交配してK細胞を可視化し、小腸K細胞数やK細胞内の遺伝子発現量を比較した。DKOマウスのK細胞数やK細胞内GIP遺伝子の発現はWTマウスと同等であった。K細胞内のGPR120, GPR40の発現はいずれも消失していたが、GPR119、FATP1-5、CD36等他の脂質関連遺伝子の発現量に変化を認めなかった。3) L細胞に高発現する分子の単離同定:L細胞が蛍光タンパクで標識されたGcg-GFPマウス腸管からL細胞を単離しマイクロアレイ解析を行ったところ、非L細胞に比べL細胞で高い発現を示す遺伝子の一つとして炭酸脱水酵素8 (carbonic anhydrase 8; Car8) を同定した。さらに腸管内分泌細胞株STC-1を用いた予備的検討の結果、Car8をノックダウンすることで長鎖脂肪酸刺激によるGLP-1分泌が増強し、過剰発現により抑制されることを確認した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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