研究課題/領域番号 |
16H05354
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大内田 守 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80213635)
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研究分担者 |
大守 伊織 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (20403488)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 年齢依存性てんかん / 疾患モデルラット / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
年齢依存性てんかん性脳症に似た症状を示すラットの病態解析を行なった。生後5週齢変異ラットの頭部MRI検査を行ったところ,下丘から視床,視床下部にかけてT2強調画像で高信号領域を認めた。この病変はヘテロよりもホモで広範であった。そこで同様に,生後3週齢から11週齢までのラットを用いて頭部MRI検査を行ったところ,離乳時期である3週齢ですでに淡く高信号が認められ,5週齢で病変はさらに広がっていた。しかし,7週齢で高信号領域は縮小し始め,9週齢ではほぼ消失していた。 次にラット脳の組織切片を作成後,HE染色にて病理組織解析を行った。5週齢ヘテロ,および,ホモラットの下丘から視床にかけて,MRIでT2高信号を示した部位で組織異常を認めた。同様に生後3週齢から11週齢までのラット脳の病理組織解析を行った。その結果、3週齢以降で下丘から視床にかけて組織異常が認められたが,7週齢から9週齢で病変はほぼ解消していた。酸化ストレスマーカーである8-OHdG,および,4-HNEに対する抗体を用いて脳病変部組織の免疫染色を行ったところ,ヘテロ,ホモの視床が強く染まることが示された。WTとホモラットより作成した線維芽細胞の初代培養細胞を用いて,アポトーシスを解析した。過酸化水素処理3時間後に細胞を解析すると,ホモラットの細胞はアポトーシスを起こしやすいことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疾患ラットを用いた病態解析において多方面からの検討が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
脳の組織異常の詳細について、様々な抗体を用いた免疫染色を行い、障害を受けている細胞の同定を行う。 疾患ラットの変異型原因遺伝子から、どのような経路・経過で組織異常につながるのか、シグナルの流れを分子レベルで解析を行う計画である。
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