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2017 年度 実績報告書

エクソーム解析による原発性免疫不全症の病因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H05356
研究機関徳島大学

研究代表者

峯岸 克行  徳島大学, 先端酵素学研究所(プロテオ), 教授 (10343154)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード原発性免疫不全症候群
研究実績の概要

高IgE症候群の新規の原因遺伝子を同定するために、高IgE症候群の臨床症状を呈しながら、これまでに報告されている高IgE症候群の原因遺伝子、STAT3, TYK2 (Tyrosine kinase 2), DOCK8(Dedicator of cytokinesis 8), PGM3(Phosphoglucomutase 3)に異常のない高IgE症候群のゲノムDNAを検討した。患児の末梢血からゲノムDNAを抽出し、Agilent社のSureSelect Humanを用いてエクソン領域を濃縮した。これを次世代シークエンサーにより解析した。候補遺伝子に対して、その遺伝子の免疫系での発現パターン、これまでに明らかにされている遺伝子機能、遺伝子変異部位に存在する機能ドメイン、遺伝子多型頻度、脊椎動物での保存状況等のデータベース情報を利用して候補遺伝子変異を優先順位を検討した。原因遺伝子の探索は、遺伝形式を仮定し、それぞれの仮説と一致したホモ、ヘテロ、コンパウンドヘテロの変異を抽出したのち、それが原因遺伝子変異かどうかをバイオインフォーマティクスにより詳細に検討した。マッピングと品質管理を実施したところ、すべての症例でdepthが20以上の領域が全エクソンの95%以上だった。変異検出をGenome Analysis Toolkitで行い、1名の高IgE症候群症例当たり約20000個の遺伝子変異を見出した。その内訳はナンセンス変異が約200個、フレームシフト変異が約200個、スプライス変異が約200個、それ以外のミスセンス変異が約19400個であった。これから、遺伝子の機能、発現、遺伝子の機能ドメインの部位、遺伝子多型の頻度等を考慮に入れて、40個の有力な原因候補遺伝子変異を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高IgE症候群の新規の原因遺伝子を同定するために、既報の高IgE症候群の原因遺伝子に異常を有さない患児の検討を行った。SureSelect Humanによりエクソン領域を濃縮し、次世代シークエンサーにより解析した。候補遺伝子に対して、その遺伝子の免疫系での発現パターン、これまでに明らかにされている遺伝子機能、遺伝子変異部位に存在する機能ドメイン、遺伝子多型頻度、脊椎動物での保存状況等のデータベース情報を利用して候補遺伝子変異の優先順位を決定した。原因遺伝子の探索は、遺伝形式を仮定し、それぞれの仮説と一致したホモ、ヘテロ、コンパウンドヘテロの変異を抽出したのち、それが原因遺伝子変異かどうかをバイオインフォーマティクスにより詳細に検討した。1名の高IgE症候群症例当たり約20000個の遺伝子変異を見出した。その内訳はナンセンス変異が約200個、フレームシフト変異が約200個、スプライス変異が約200個、それ以外のミスセンス変異が約19400個であった。これから、遺伝子の機能、発現、遺伝子の機能ドメインの部位、遺伝子多型の頻度等を考慮に入れて、40個の有力な原因候補遺伝子変異を得たことより、これまでの進捗状況はおおむね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

全100例の全エクソンシークエンスデータを詳細に解析し、バイオインフォーマティクスにより免疫不全症の候補原因遺伝子を抽出する。この変異遺伝子のcDNA, mRNA, proteinを発現ベクターにより作成する。この遺伝子レベルの機能解析に加えて、患児由来細胞を用いたin vitro機能解析を行い、高IgE症候群の原因となる遺伝子変異候補を抽出する。さらに、in vivoの機能解析としてCRISPRノックアウト、CRISPRノックインマウスを作製することにより最終的にその遺伝子変異が原発性免疫不全症の病因であることを証明する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 原発性免疫不全症のモデル動物2017

    • 著者名/発表者名
      峯岸克行
    • 雑誌名

      炎症と免疫

      巻: 25 ページ: 62-65

  • [学会発表] Exacerbation of oxazolone-induced atopic dermatitis in a mouse model of hyper-IgE syndrome.2017

    • 著者名/発表者名
      Wada T, Nishikawa Y, Minegishi Y.
    • 学会等名
      The 46th annual meeting of the Japanese society for immunology.
  • [図書] 小児科診断・治療指針 改訂第2版 分担 高IgE症候群 p905-9082017

    • 著者名/発表者名
      峯岸克行
    • 総ページ数
      1250
    • 出版者
      中山書店
    • ISBN
      978-4-521-74486-5

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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