研究課題
基盤研究(B)
本研究により、ヒト単一遺伝子疾患における新規疾患遺伝子を7個同定した (TBCD, AIFM1, NUP133, NOP104, KAT6A, FBOX11, PMPCB)。そのうち、小児早期発症の多系統神経萎縮を起こすTBCD遺伝子に関しては、特許を取得した。Aicardi症候群、関節弛緩型エーラス・ダンロス症候群、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に関しては、症例を蓄積し、エクソーム解析と一部の典型症例に対して全ゲノム解析を行ったが、新規の遺伝子同定には至らなかった。
分子遺伝学
小児早期発症の多系統神経萎縮の疾患遺伝子TBCDを同定したことにより、本疾患が常染色体劣性遺伝をとること、また詳細な臨床症状の集積により自然歴が明らかとなった。これらの成果は、本疾患における疾患概念の確立と遺伝カウンセリングや医療的介入時に必要な情報を提供できるものである。ほかの疾患に関しても、疾患責任遺伝子、遺伝形式、自然歴を明らかにできたことは、医療を行う上で非常に有用な情報を提供できるものである。