研究課題
交付申請書に記載した研究の目的に基づき、T-box遺伝子ファミリーのTbx1、Tbx4およびTbx20に着目して研究計画を実施した。先天性心臓流出路異常モデル動物であるTbx1発現低下マウスにおいて、葉酸により心血管疾患の表現型が変化することを明らかにし、遺伝子発現プロファイルおよびDNAメチル化の網羅的解析により、神経堤細胞の遊走・分化に関与するヘッジホッグシグナルの調節因子であるEfcab7の発現変化を明らかにした。葉酸による神経堤細胞の遊走・分化およびアポトーシスの救済により、Tbx1発現低下マウスの心疾患表現型が軽症化することが示唆された。また、Tbx4の肺血管発生における機能解析により、Tbx4が分泌性増殖因子Fgf10の発現を直接制御することを明らかにした。TBX4は肺動脈性肺高血圧の責任遺伝子として報告されており、この分子機序が肺動脈の発生と病態形成に関与することが示唆された。さらにCRISPR/Cas9システムを用いて、Tbx20のノックアウトマウスを作製した。Tbx20ホモノックアウトマウスの解析により、心臓初期発生の異常により胎生致死となることが確認された。Tbx20とTbx1の遺伝子異常の組合せ(多因子変異)による心血管疾患の発症機序を解析するため、Tbx20変異マウスとTbx1発現低下マウスを交配し、Tbx20/Tbx1複合遺伝子変異(Tbx20+/-Tbx1+/-、Tbx20+/-Tbx1-/-およびTbx20-/-Tbx1-/-)マウスを樹立した。Tbx20+/-Tbx1+/-では、軽微な表現型の変化があるかどうか、Tbx20+/-Tbx1-/-ではTbx1-/-よりも重篤な心血管表現型が見られるかどうか、Tbx20-/-Tbx1-/-では、特に二次心臓領域の発生において、Tbx20-/-よりも重篤な心血管表現型が見られるかどうか検証されている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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