研究課題/領域番号 |
16H05361
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
井上 健 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第二部, 室長 (30392418)
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研究分担者 |
小坂 仁 自治医科大学, 医学部, 教授 (90426320)
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研究協力者 |
李 コウ
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 細胞病態 / ペリツェウス・メルツバッハー病 / 小胞体 / 分泌経路 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、髄鞘膜蛋白質PLP1のアミノ酸置換変異により中枢神経系の髄鞘形成不全を呈するPelizaeus-Merzbacher病を引き起す細胞病態機序を解明することである。従来知られて来たunfolded protein responseに加え、我々は変異体PLP1がER-Golgi体輸送経路を担うCOPII小胞の形成を障害することにより、細胞で産生される他の正常な膜蛋白質や分泌蛋白質の輸送を障害することを明らかにした。またこの細胞病態には、細胞内カルシウム濃度の調整障害が関与している可能性が示唆されたので、今後この分子機序をさらに明らかにしていく予定である。
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自由記述の分野 |
神経遺伝学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Pelizaeus-Merzbacher病は、生涯にわたって重度の障害を伴う小児の遺伝性神経難病であり、現在治療法はない。原因遺伝子であるPLP1のアミノ酸置換変異がオリゴデンドロサイトに引き起こす細胞毒性が著明な中枢神経系の髄鞘化不全を引き起こすことが疾患の本態と考えられているが、この細胞毒性の分子機序はこれまで不明であった。今回、ER-Golgi体輸送経路の障害が明らかになり、さらにCOPII小胞の形成が障害されることを明らかにしたので、今後これを分子標的とした治療法開発を行うことが可能になると期待される。
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