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2017 年度 実績報告書

人工受容体DREADDによる恐怖記憶の制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H05371
研究機関北海道大学

研究代表者

吉岡 充弘  北海道大学, 医学研究院, 教授 (40182729)

研究分担者 吉田 隆行  北海道大学, 医学研究院, 助教 (60374229)
大村 優  北海道大学, 医学研究院, 講師 (80597659)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード5-HT2C / 恐怖記憶 / 消去 / 海馬 / Grik4
研究実績の概要

平成29年度の目的は、①「遺伝工学的手法(セロトニン受容体ノックアウトマウスなど)によって恐怖記憶の想起・消去に関与する5-HT受容体を同定する」に取り組むこと、そして②「人工受容体とCre-loxPシステムを用いて海馬の下位領域特異的に記憶の想起・消去における役割を解明する」の準備を進めることであった。目的①に関しては5-HT2C受容体ノックアウトマウスをJaxson Laboratory から入手し、これまでの薬理学的結果におおよそ一致する結果を得ることができた。つまり、5-HT2C受容体ノックアウトマウスにおいて恐怖記憶の消去が若干早い傾向が見られた。恐怖記憶の想起自体には違いが見られなかった。しかしまだ個体数が十分でないため、確証を得るためには追加の実験を続ける必要がある。一方、目的②の準備については、予定より時間がかかったものの、最終的には発現させた人工受容体が機能することを確認することに成功した。具体的には神経活動上昇のマーカーとしてc-Fosタンパクを用い、免疫染色法によって確認した。人工受容体を発現させたマウスにclozapineを投与した場合においてのみ、海馬CA3領域におけるc-Fosタンパク発現が上昇した。なお、当初の計画ではclozapine-N-oxideを人工受容体の刺激薬として使用する予定であったが、その後clozapine-N-oxideが血液脳関門を通過できないとする論文が発表されたことを踏まえ、代替案として今後は低用量のclozapineを人工受容体の刺激薬として用いることとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

c-Fos発現を確認するための抗体探索に時間を要し、繰越申請をしたことを踏まえて、「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

5-HT2C受容体ノックアウトマウスを用いた検討を進めると同時に、当初の計画通り海馬CA3領域に人工受容体を発現させたマウスを用いて恐怖記憶の消去に関わる海馬の下位領域を特定する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] セロトニン5-HT2C受容体ノックアウトにより恐怖記憶の消去は促進する2017

    • 著者名/発表者名
      根深真央, 大村優, 吉田隆行, 吉岡充弘
    • 学会等名
      第39回日本生物学的精神医学会・第47回日本神経精神薬理学会合同年会

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公開日: 2019-12-27  

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