研究課題/領域番号 |
16H05385
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田代 学 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00333477)
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研究分担者 |
久保 均 福島県立医科大学, 新医療系学部設置準備室, 教授 (00325292)
伊藤 浩 福島県立医科大学, 医学部放射線科, 教授 (20360357)
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
佐々木 真理 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 教授 (80205864)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 核磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS) / ポジトロン放出断層法(PET) / 脳・神経 / 薬理学 / 脳内代謝物 |
研究成果の概要 |
本研究では、ヒトが内服した薬物(アセトアミノフェンやジフェンヒドラミン)のうち脳に分布した薬物分子に由来するMRS信号を体外計測し、薬物の脳内濃度の推移を追跡する方法の確立を目指した。過去にエタノールの脳内濃度の追跡に成功した研究はあったものの、他の薬物への応用は現時点ではまだ困難であることが示された。 一方、MRSで測定された一部の脳内代謝物濃度に由来するMRS信号を利用して内服薬剤の脳内濃度を推定できる可能性があることも示された。 さらに、薬物内服後に認知課題を行う際のヒト脳の代謝が高まるPET所見も得られ、ヒト脳内の薬物の影響を非侵襲的に評価する方法として活用できる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
核医学、臨床薬理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ヒトが内服した薬物のうち脳内に分布した薬物分子に由来するMRS信号を体外計測して薬物の脳内濃度を推定することを目指したが、現在のMRS技術では困難であると示された。一方、服薬後の脳内代謝物由来のMRS信号を利用して内服薬物の脳内濃度を推定できる可能性があることが示唆され、将来、他の薬剤を用いた測定の実施が期待される。また、将来的にMRSの測定感度とデータ処理技術がさらに進歩した際には、ヒトの脳内薬物濃度を体外測定できる可能性があると期待される。 加えて、PETによる付随所見である薬物内服後の認知課題負荷時の脳代謝増加所見は、薬物による脳への影響を評価する指標としても有用と考えられた。
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