研究課題
本年度は、圧縮型スペーサーの試作の継続と生体内における性能評価を実施した。ポリエチレン糸を用いて弾力性を検討する編み方についてさらに改良を加え、試作品においては十分な密度と厚みを保持する試作品を作成することに成功した。ミニブタを用いた動物実験の際には、腹腔鏡を用いて厚みの異なる2種類の圧縮型スペーサーの挿入を試みたが、厚みが大きいものにおいては、挿入時の抵抗が大きく、通常の径の腹腔鏡での挿入がかなり困難であることが判明し、その対策として挿入時における圧縮性スペーサーを内装するアプリケーター等の開発の必要性が課題として抽出された。我々が独自開発した世界初の生体適合性のPGA吸収性スペーサーの優れた性能は、(1)粒子線治療期間(6-8週)にのみ体内空間を創造し、治療後には二酸化炭素と水に分解される。(2)水の保持力があり、粒子線治療・X線治療の治療計画時に水等価性の構成体として線量計算が可能である。(3)弾性があり、厚みの保持が可能で、柔らかさがあり、各臓器の形状に沿うことが可能。の3点に集約される。これらの利点を保持しつつ圧縮性の新機能を追加できるかに絞って検討を進めている。本学において実施したラットを用いた圧縮型ポリグリコール酸(PGA)スペーサーの埋植実験では、試作したスペーサーは埋植部位により厚みの均一性が保たれていないことが判明し、次年度以降の改良の課題として挙げられ、埋植後の厚みの保持を均一にする目的での検討が必要であることが明らかとなった。現在では、PGA縫合糸を用いたさらなる圧縮性スペーサーの試作品を完成できており特許出願を準備中である。
2: おおむね順調に進展している
圧縮性スペーサーの開発における複数の試作品を作成し、腹腔鏡での試験を実施したことで、改良すべき課題を確認できた。また、埋植後の厚みの不均一性など新たな課題も判明し、今後改良すべき問題点が明確になった。
昨年度の研究の中で圧縮性スペーサーの試作品の問題点が明らかになったため、既にその改良品の作成に取り組んでいる。今後は再度、腹腔鏡を用いた実装やアプリケーターの開発などを試作し、検証を重ねていく予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 19件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 図書 (3件)
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