研究課題
我々は世界初となる生体適合性材料を用いた不織布型・吸収性スペーサーを独自開発し、腹部悪性腫瘍に対する体内空間可変粒子線治療を提案し、小型・大型動物を用いた生物学的安全性の検証と、臨床治験を実施した。圧縮型・吸収性スペーサーに関して試作を進め、物理実験、動物実験によって性能を改良し仕様を決定した。その後スペーサーを用いた小動物(ラット)実験による生物的安全性と吸収速度の確認をした。6週齢のWislerラットの腹腔の左右に、従来のPGAスペーサーと本申請で開発した圧縮型ダブルラッセル編みPLAスペーサーを同時に挿入し、動物用CTで厚みの変化を継時的に測定した所、密度に依存して吸収速度がやや異なることを発見し、仕様を0.2g/mlに決定した。腸管とスペーサーの癒着の程度と原因を検討した。従来のPGAスペーサーの安全性評価では体重変化や摂食障害は認めないが、剖検ではスペーサーと腸管との軽度癒着が確認されている。肉眼的癒着スコアを用い、継時的変化を検討した所、セプラフイルム等の癒着防止剤が極めて有効であることを発見した。スペーサーの消褪速度や癒着に関しては、接触加減や荷重の関与を考慮するため、前臨床試験としてブタ、カニクイザル等の大型動物を用いた長期安全性試験を実施した。PGAスペーサーでは、これらの大型動物内でもスペーサーが小動物と同様の速度で少しずつ消退し、臨床使用に適するデータを得た。圧縮型・ダブルラッセル編みスペーサーも、臨床仕様のスペーサーを埋植して飼育し、体重変化や血球・血液生化学検査、並びに病理組織学的検査を行い、生体内において治療のためのスペースを治療期間中保持できる有効性(性能)、及び安全性を評価できた。吸収性スペーサーを用いた臨床治験Phase I studyの実施し、安全性と有効性を確認出来た。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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