研究実績の概要 |
本研究は、血中浮遊DNAの由来をepigeneticで分類し、がん診断・治療効果予測に応用しようというものである。網羅的メチル化アレイデータより、種々の細胞種に特異的なepigeneticマーカーを同定し、それを活用したcfDNA由来プロファイリング法をデジタルPCR機器を用いて確立し、その後、この由来プロファイリング法が、乳癌転移再発症例、術前補助療法症例の効果予測、原発巣や術後再発の診断、他癌の診断に応用できるかを検証する予定である。 乳癌細胞そのものの同定としてゲノム変異に対するPCRを用いる。乳癌に高率で遺伝子変異をしているPIK3CAのexon9, 20にあるHot spotに対するmutation(1624G>A, 1633G>A, 3140A>G, 3140A>T)を識別するPCR primer probeセットをデザインした。また、ルミナール型乳 がんの再発症例で変異率が上昇しているESR1遺伝子の変異Hot spotであるリガンド結合ドメインの変異(1609T>A, 1610A>G, 1610A>C,1 613A>G )を検出するPCRもデザインした。 また、それぞれの細胞種のepigenetics markerを、公的データベースから正常細胞、癌細胞の網羅的epigeneticsデータを入手しマー カーの同定を試みた。目的の細胞種以外で完全に無メチル化でその細胞腫のみメチル化しているという特異性の高いmarkerの同定が困難であることが判明。内・外・中胚葉由来マーカーなどとの組み合わせで、計算で由来細胞のプロファイリングをする方向性が必要であることが判明した。 2018年に研究代表の所属が変更され、新所属先での研究体制を整備した。
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