研究課題/領域番号 |
16H05404
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
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研究分担者 |
齊藤 一誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90404540)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 再生医学 / iTS細胞 / iPS細胞 / 体性幹細胞 |
研究実績の概要 |
本研究では、iPS細胞作製技術を応用して、ヒト人工組織特異的幹細胞(induced tissue-specific stem cells: iTS細胞)を樹立することを目的としている。われわれの研究室では、山中因子をそれぞれの組織に一過性発現させ、組織特異的幹細胞のマーカーで細胞を選択することにより、マウス膵幹細胞および、マウス肝幹細胞を人工的に作製することに成功している。この細胞の利点は1)樹立効率がiPS細胞よりも高い、2)分化誘導効率がES/iPS細胞より高い、3)奇形腫形成がなくES/iPS細胞で懸念された未分化細胞残存による腫瘍形成の心配がない、の3点である。この技術は膵・肝のみならず、さまざまな組織に関して応用可能であると考えられるため、画期的な技術であるといえる。 平成28-29年度において、ヒト膵幹細胞およびヒト肝肝細胞の人工的作製を6因子(OCT3/4, SOX2, KLF4, p53shRNA, L-MYC, LIN28)の一過性発現で試み、それと思われるコロニーを樹立した。ヒト膵幹細胞、ヒト肝幹細胞ともに組織特異的マーカーの発現を確認した。また、免疫不全マウスへの移植にて、奇形腫形成がないことも確認した。現在、分化誘導効率の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は申請書通りに実験を実施し、予想された結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
a. 膵ベータ細胞への分化誘導、糖尿病マウスへの移植 ES/iPS細胞からインスリン分泌細胞への分化誘導はNat Biotech 2006, 24, 1392-1401に報告されている方法が多くの施設で使用されている。生体では受精卵から、1. Definitive endoderm、2. Primitive gut tube、3. Posterior foregut、4. Pancreatic endodermを経てインスリン分泌細胞へと分化していくが、このプロトコールはこの過程をin vitroで模倣した形になっており(5ステッププロトコール(Stage 1-5))理にかなった方法である。また、2014年10月にハーバード大学のMelton研究室から、移植に使用可能なレベルのインスリン分泌細胞を作製したとの報告がなされ、その分化誘導法が公開された(Cell 2014, 159, 428-439)。この2つの分化誘導法を比較検討し、より有効な分化誘導法を選択し、使用する予定である。分化誘導を行った細胞は糖尿病マウスへの移植により評価を行う。研究代表者は、Nat Biotechの分化誘導法および糖尿病マウスへの移植を数多く経験しており、手技的な問題はない。 b. 肝細胞への分化誘導、および急性肝不全モデルマウスへの移植 ES/iPS細胞から肝細胞への分化誘導は研究代表者の共著論文(Nat Biotech 2006, 24,1412-1419)に報告されている方法を用いる予定である。分化誘導を行った細胞は、90%肝切除を行った急性肝不全モデルマウスの脾臓への移植により評価を行う。研究代表者は、Nat Biotechの分化誘導法および肝不全モデルマウスへの移植を数多く経験しており、手技的な問題はない。
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