研究課題
(1)「標本採取およびDNAメチル化網羅的解析」。昨年度までで、胃癌、食道胃接合部癌標本の収集およびDNA網羅的解析を順調に終了していたが、本年度は癌症例を詳細に層別化し、胃癌を異なるDNAメチル化サブタイプに分類した。胃癌各群に対し、EBVの有無、胃粘膜の炎症・萎縮、ピロリ菌感染の有無などを含め背景・病理学的因子との相関を明らかにした。(2)「エクソン変異の網羅的解析」。昨年度までにHaloPlexキャプチャーシーケンスにてドライバー変異125遺伝子のエクソン変異解析を終了していたが、EBV陽性超高メチル化胃癌、MSI高メチル化胃癌、低メチル化胃癌、それぞれの各サブタイプに特徴的にみられる遺伝子変異と、(1)のDNAメチル化による不活化との相乗効果による発癌機構について、(4)で解析した。(3)「DNA異常メチル化の獲得機構の解明」。EBV陽性胃癌におけるゲノム広範囲の異常メチル化は、他のメチル化群のメチル化標的遺伝子を包含するが、EBVを正常胃上皮細胞にin vitro感染するモデルを用い、EBV感染が正常胃上皮にDNAメチル化を誘導する際に、初年度にはTET2の低下がDNAメチル化獲得に貢献することを報告し、昨年度はヒストン活性化マークの消失がDNAメチル化部位と相関することを報告していた。本年度はTET2低下がDNAメチル化獲得だけでなくヒストン活性化の消失などエピゲノム異常誘導に貢献する機能を解析した。(4)「発癌分子機構の解明」。shRNAライブラリーを用いた網羅的ノックダウンを行い、エクソン変異解析で認める遺伝子変異やDNAメチル化による遺伝子不活化が相乗効果で発癌に貢献する分子機構について、層別化した胃癌症例各群において明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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