研究課題
FOLFOX標準容量群、高容量群ではともにFOLFOX初回投与後2週間以内に死亡を確認(各々n=2)したため、薬剤毒性または嘔吐による高度の脱水が原因と判断した。低用量(L-OHP:42.5 mg/m2)での投与を行ったところ実験の継続が可能であったため、低用量群を計5頭に行った。control群として計2頭に生理食塩水の投与を行い、モデルの検証を行った。FOLFOX投与群では血中白金濃度は平均0.50μg/mlで経過し、血液検査は、AST:51.0 (37-85) U/L、 ALT:47 (31-57) U/L、 総ビリルビン値:0.14 (0.1-0.2)mg/dL、 血小板数: 49.2万 (15.8-91.7万) /μL、 ヘモグロビン値: 7.6 (5.7-9.9) g/dLで経過し、投与開始時から犠死まで終始、大きな変動は認めなかった。ICG-K値は、FOLFOX初回投与前は平均0.153であったが、12回投与後は平均0.090と低下しており、肝機能の悪化を認めた。8週目のHE染色による病理所見でSOSに特異的な類洞の拡張や肝細胞索の狭小化を確認し、電顕所見でも血管内皮細胞の脱落や類洞内の出血を認め、SOSと診断した(scoring:6点)。18週以降の肝臓標本では肝細胞壊死を認め、SOSが経時的に進行していることを確認した(scoring:9点)。control群では血液検査・病理所見とも著変なく経過しており、対照群としての成立も確認した(scoring:0点)。FOLFOX投与群の全例で同様の所見を認め、再現性を確認した。24週目の肝臓標本に対して行った鍍銀染色では細網線維の出現・増加を認め、HE染色による病理所見でも中心静脈周囲の線維化を確認した。研究目的の1つであるSOSのバイオマーカー探索に関しては、現在解析中であり、研究予定期間を延長して継続する。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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