研究課題
本研究では、標的細胞への感染メカニズムとmicro-RNAのウイルスゲノム構造の異なる2種類のテロメラーゼ依存性癌特異的蛍光標識ウイルス製剤(OBP-401、OBP-1101)を組み合わせ、蛍光発現パターンを解析することで、胃癌、膵癌などのCY陽性あるいは陰性の消化器がん患者の予後をさらに層別化するデュアル体外診断システムを開発することを目的とする。OBP-401はCoxsackievirus and adenovirus receptor(CAR)を介して標的細胞に感染し、テロメラーゼ活性依存性に増殖することでGFP蛍光を発現する。したがって、CAR発現が低い血球系細胞や他の正常細胞でも、いったん感染が成立すれば、テロメラーゼ活性に応じてGFP蛍光発現が生じてしまう可能性がある。一方、OBP-1101はヒト細胞で広範に発現するCD46表面抗原を受容体として標的細胞に感染するが、細胞内で血球系細胞に特異的なmiR-142-3p標的配列が機能することで、例えテロメラーゼ酵素が活性化されていても、その増殖・複製は強力に抑制されると推測される。胃癌49例中、401陽性/1101陽性 13例(27%)、401のみ陽性 6例(12%)、1101のみ陽性 4例(8%)、いずれも陰性26例(53%)であった。また、膵癌23例中、401陽性/1101陽性 5例(22%)、401のみ陽性 1例(4%)、1101のみ陽性 1例(4%)いずれも陰性16例(70%)であった。予後に関しては、401のみ陽性症例へのインパクトを期待したが、症例数も少なく明確な結論は得られなかった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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