研究課題
残膵切除術が施行された12人の残膵癌患者の初回および二次性切除の両方の切除標本を用いて検討を行った。FFPEで評価したKRAS変異は,8人の患者(症例No.1-8)で初回病変と残膵病変で異なる変異様式を示し,残りの4人の患者(No.9-12)で同一の変異様式を示した。TP53やCDKN2A,SMAD4の免疫染色の結果は,No.1-8の患者では初回病変と二次性病変が完全に一致することはなく,No.9-12の患者では同一の染色パターンを示した。これらの結果に基づいてNo.1-8の二次病変を異時性多発病変,No.9-12の二次病変を局所再発病変と診断した。4人の患者で二次性病変の術前精査目的にERPおよび膵液採取を行った。これは二次性病変の切除標本と膵液のKRAS変異を比較し,二次病変のKRAS変異を二次性病変切除前に確認することで,二次病性変が局所再発であるか異時性多発病変であるか予測することができるかを目的としている。二次性病変の切除前に4人の患者(No. 4,5,11,12)から採取した膵液のKRAS変異様式は切除標本のKRAS変異様式と類似していた。ターゲットNGSは3症例(No.8,9,12)の凍結組織を用いて行った。症例No.8ではKRAS,CDKN2A,TP53,SMAD4の四つの主要ファウンダー遺伝子変異が初回切除病変と二次性病変で異なり,異時性多発病変であることが示唆された。また初回切除病変でコドン12 (g.25398284 C>T) の変異が3つの領域全てで認められ,1つの領域のみでコドン61(g.25378608 A>T)の変異を同定した。症例No.9の患者ではKRASコドン12変異,CDKN2A,TP53,STK11のファウンダー遺伝子変異が初回病変と二次性病変で共通しており,初回病変の局所再発であることが示唆された。症例No.12も初回病変と二次性病変でKRASコドン12変異とTP53,STK11のファウンダー変異が共通しており,二次性病変は初回病変の局所再発であると考えられた。症例No.9,12は共に他の変異でも初回病変と二次性病変で共通する変異を認めた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
Surg Today
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s00595-019-01797-7
Surgery
巻: 165 ページ: 767~774
10.1016/j.surg.2018.10.025
Pancreatology
巻: 18 ページ: 566~571
10.1016/j.pan.2018.04.012