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2016 年度 実績報告書

マクロファージ機能の選択的制御による新たな大動脈瘤退縮治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16H05425
研究機関山口大学

研究代表者

吉村 耕一  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授(特命) (00322248)

研究分担者 吉田 恭子 (今中恭子)  三重大学, 医学系研究科, 准教授 (00242967)
山下 修  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30744388) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード大動脈瘤 / マクロファージ
研究実績の概要

大動脈瘤の主病態は、浸潤・集積したマクロファージによる炎症増幅と組織破壊である。マクロファージ抑制により瘤の炎症病態を是正することができれば、瘤壁組織の退縮治癒を促す可能性は高い。しかし、免疫抑制・感染症が一方で懸念される。研究代表者は、炎症増幅と組織破壊に関わるマクロファージの病的機能のみを選択的に制御することを着想し、そのための標的分子としてfocal adhesion kinase(FAK、接着斑キナーゼ)に着目した。本研究の目的は、FAKが瘤壁マクロファージの病的機能異常を選択的に制御する分子機構を解明し、FAKを標的とする有効かつ安全な大動脈瘤退縮治療法を新たに創出することである。そのため、平成28年度に、以下の計画を実施した。【計画Ⅰ. 大動脈瘤進展時におけるマクロファージ集積とFAK活性亢進の実証】手術症例から得られるヒト大動脈瘤組織を解析した結果、瘤壁のマクロファージ集積部においてFAK活性亢進を認めた。さらに塩化カルシウム刺激によるマウス大動脈瘤モデルを経時的に解析し、瘤形成に伴ってFAK活性が亢進することが明らかとなった。【計画Ⅱ. 瘤進展に関わるマクロファージの機能異常がFAK活性依存性であることの実証】マウス腹腔由来の培養マクロファージの機能を解析した結果、炎症性サイトカインTNF-alpha刺激によるFAK活性化、MCP-1とMMP-9分泌亢進がFAK阻害によって阻止された。さらにモデルマウスの大動脈瘤壁におけるマクロファージの集積が、FAK阻害剤投与によって抑制されることが明らかとなった。


現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度に予定した【計画Ⅰ】と【計画Ⅱ】は、ともに予定どおりに実施でき、ほぼ期待通りの結果が得られた。

今後の研究の推進方策

今後は、まず平成29年度に予定した計画を実施する。現在のところ、計画の変更を要するような問題点はない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Focal adhesion kinase promotes the progression of aortic aneurysm by modulating macrophage behavior2017

    • 著者名/発表者名
      Harada T, Yoshimura K, et al
    • 雑誌名

      Arterioscler Thromb Vasc Biol.

      巻: 37 ページ: 156-165

    • DOI

      10.1161/ATVBAHA.116.308542

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 大動脈解離・大動脈瘤の発生メカニズム2017

    • 著者名/発表者名
      吉村耕一
    • 学会等名
      第27回日本心血管画像動態学会
    • 発表場所
      三重県津市(ホテルグリーンパーク津)
    • 年月日
      2017-01-20 – 2017-01-21
    • 招待講演
  • [学会発表] Focal adhesion kinase is a novel target for pharmacotherapy of abdominal aortic aneurysm2016

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura K
    • 学会等名
      5th IMAD 2016
    • 発表場所
      Liege, Belgium
    • 年月日
      2016-09-15 – 2016-09-17
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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