研究課題/領域番号 |
16H05426
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
宮本 伸二 大分大学, 医学部, 教授 (70253797)
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研究分担者 |
穴井 博文 大分大学, 医学部, 教授 (20291544)
河島 毅之 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (20791049)
中山 泰秀 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, その他, 研究員 (50250262)
和田 朋之 大分大学, 医学部, 准教授 (60325701)
首藤 敬史 大分大学, 医学部, 助教 (60649763)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 再生医療 / 弁膜症 / 大動脈弁 / 自家移植 / 心臓外科 |
研究実績の概要 |
12頭の成ヤギに生体内組織形成術(iBTA)で作成したバイオシートを用いて大動脈弁再建術(AVNeo)を行い、5頭に対してグルタール固定自己心膜を用いてAVneo を行った。うちバイオシート使用モデルは5頭周術期を乗り越え生存し、自己心膜モデルは1頭のみ生存した。28年度に作成し生存していたヤギも含め6カ月モデル3頭を安楽死させデータを得た。3頭で超音波検査での大動脈弁逆流は軽微が1頭、中等度以下軽微以上が2頭であった。最大大動脈弁経過血流は全例で2m/秒以下であり、植込直後より低下していた。肉眼的には裂傷、断裂みられず弁弁腹の透過性が増し、自己弁に近づいている印象があった。弁逢着部は若干弁の可動性が低下していた。組織学的にはバイオシート内部へ弁逢着部から線維芽細胞が侵入しておりその程度は3ヵ月モデルよりも進んでいた。また左室側に特異的に弾性線維の痙性がみられており、これは自己弁の組織にも特異的な所見であり、自己弁化の進展と思われた。ただし、まだ弁尖部までは自己細胞は到達しておらず全体に変化が及ぶには6カ月以上は必要と思われた。弁輪部に可動性が少ない印象はあったが石灰化は全く見られていなかった。シートは均一ではく一部脆弱な(薄い)部分があることが判明し、OCTを用いることで事前に脆弱な部分を把握し、弁の切出し部分の選定ができるようになった。基材の変形を防止するため内套をツーピース化したところより均一なシートが得られるようになった。また基材のスリットをそれまでの長方形から円形に変えてそれぞれで生成されるバイオシートの性状の違いを比較したが、円形の方がより均等にシートが形成されており、強度はどちらも同程度であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
再生医療で作成した材料で大動脈弁位に弁として用いて6カ月以上生存したモデルはこれまで得られておらず我々は3頭のデータを得ることができ、予想したように自己弁化が進んできたのが確認されている。また危惧された石灰化も6カ月までは全く確認されないことから臨牀での使用に向かってよい材料がそろいつつあると考えられる。 またシートの均一性の評価もOCTを用いて正確にできるようになり、不良部分を除いて弁を切り取る方法も確立した。ただ当初はすでに得られてい予定であった1年モデルの獲得にまだ至っていない点が計画より遅れている点である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度中に(6月に1頭、7月に1頭)1年生存モデルを得ることができ、その結果が良好であれば臨床研究に向かって申請書作成に取り掛かる予定である。同時に丸型スリットで作成したシートを用いて6カ月モデルを作成し、これまでのスリットとの違いを明確にする。優劣が生じれば臨床研究に用いる基材をその結果で選定する。また自己心膜の長期生存モデル数が不足しており更に6カ月モデルを更に二頭作成する。1年以上の成績をみるための一頭も作成する。
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