研究課題
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)の腫瘍組織90例のエクソーム解析と30例トランスクリプトーム解析から、遺伝子変異のLandscapeを明らかにした。変異遺伝子プロファイルと患者の生存期間や治療反応性との相関をRandom Survival Forest法で解析し、標的候補遺伝子を探索している。腫瘍組織のトランスクリプトーム解析から、PCNSLで特異的に発現している融合遺伝子や長鎖非コードRNA(lncRNAs:>200bp)・短鎖非コードRNA(small ncRNAs<200bp)などの新規転写産物の同定および既知の転写産物の定量を行っている。これらの成果からバイオマーカー、新規の分子標的薬開発のための標的分子の探索を進行中である。またPCNSL培養細胞株HKBML細胞, TK細胞を用いて、メソトレキセート(MTX)耐性細胞株の樹立を行った。MTX耐性細胞株に引き起こされる糖タンパク糖鎖の変化、またメタボローム解析により代謝系の変化について解析を行った。さらに、MTX耐性細胞株に新たな分子標的薬を併用する治療効果の検討を進めている。薬剤耐性を克服する新たな治療法の開発を目指している。PCNSL組織サンプルの収集の困難さから、このような多数症例のゲノム解析成果を基盤とした研究を行っている施設は国際的にも見られず、我々の研究の新規制・独自性がある。本研究により治療困難なPCNSLの新規標的分子が明らかにされ、バイオマーカーを用いた個別化治療の確立、および新たな診断・治療法の開発が期待できる。
2: おおむね順調に進展している
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)の腫瘍組織90例のエクソーム解析と30例トランスクリプトーム解析が修了し、遺伝子変異のLandscapeをほぼ明らかにできた。変異遺伝子、トランスクリプトームと患者生存期間および治療反応性との相関に関する解析も順調に進行中である。またPCNSL培養細胞株を用いて、メソトレキセート(MTX)耐性細胞株の樹立から、MTX耐性細胞株に引き起こされる糖タンパク糖鎖の変化、またメタボローム解析により代謝系の変化について解析が順調に修了した。MTX耐性を克服する治療法の開発に向けて研究を継続している。
変異遺伝子、トランスクリプトームと患者生存期間および治療反応性との相関からバイオマーカー、新規の分子標的薬開発のための標的分子の探索を進行中させる予定である。MTX耐性細胞株に引き起こされる糖タンパク糖鎖の変化、またメタボローム解析により代謝系の変化についての解析結果から薬剤耐性を克服する新たな治療法の開発を目指す。
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 17件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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