研究課題/領域番号 |
16H05441
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山中 龍也 京都府立医科大学, 医学部, 特任教授 (20323991)
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研究分担者 |
高島 康郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (50621083)
川口 淳 佐賀大学, 医学部, 教授 (60389319)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脳リンパ腫 / ゲノム解析 / メタボローム解析 / 分子標的療法 / 薬剤耐性 |
研究実績の概要 |
脳リンパ腫の腫瘍増殖を促す代謝経路および細胞内シグナル経路を明らかにするため、脳リンパ腫由来細胞であるメトトレキサート耐性TK細胞(TK-MTX)およびメトトレキサート耐性HKBML細胞(HKBML-MTX)を用いて、キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析(CE-TOF-MS)によりメタボローム解析を行ったところ、炭素、脂質、核酸、尿素、分枝鎖アミノ酸、および補酵素の代謝経路に含まれる代謝物がTK-MTXにおいて188個、HKBML-MTXにおいて169個、検出された。TK-MTXでは前述に関する代謝物量が全体的に減少していたが、HKBML-MTXでは尿素、分枝鎖アミノ酸、および補酵素の代謝経路に関する代謝物が増加していた。TK-MTXおよびHKBML-MTXの両者において乳酸脱水素酵素の活性化を伴う解糖系の亢進とATP量増加が認められ、いずれのメトトレキサート耐性脳リンパ腫細胞においてもWarburg効果が確認された。これらの結果は、脳リンパ腫において主に解糖系によりATP産生がなされ、腫瘍増殖のエネルギー源となっていることを示している。しかしながら、この解糖系亢進に至る両者の細胞内シグナル経路は異なっており、TK-MTXではRAS/MAPKおよびPI3K/AKT/mTORシグナル経路の活性化に依存していたが、HKBML-MTXでは酸化ストレス耐性獲得による低酸素応答の活性化に依存していることが分かった。以上の結果は、脳リンパ腫の細胞型を詳細に診断し、その細胞型に即した治療法を選択する必要があることを示唆している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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