研究課題
思春期特発性側弯症(以下、AIS)は思春期(10歳~18歳)に発症する原因不明の側弯症である。女児の発症が圧倒的に多く、全女児の約1-2%の頻度で発症すると言われている。我々は、AISの遺伝的背景を明らかにするため、ゲノム上に存在する一塩基多型(以下、SNP)を手がかりとして疾患感受性SNPを同定する手法、ゲノムワイド相関解析(以下、GWAS)を用いて、AISの疾患感受性SNPの探索を行ってきた。これまでに2回のGWASを施行し、発症に関与する疾患感受性SNPを3個(Takahashi et al. Nat Genet 2011; Kou et al. Nat Genet 2013; Ogura et al. Am J Hum Genet. 2015)を同定している。さらに層別化解析を行い、重症化に関わる感受性SNPを1個(Miyake et al. PLoS One 2013)、進行に関わる感受性SNPを1個(Ogura et al. Hum Mol Genet. 2107)同定した。そして、これら日本人のデータを海外の研究グループ(アメリカ合衆国、中国、香港、スウェーデン)の結果とメタ解析を行い、現在までに合計4個の感受性SNPを同定している。さらに、国際メタ解析を行うことで、現在までに同定された、いくつかの感受性SNPが多人種間でも再現されることを確認した。今回、AIS約3200例を用いて3回目のGWASを施行し、先の2回のGWASの結果とメタ解析を行った。合計10個以上の新規感受性SNPを同定し、機能解析を加えて現在論文に投稿中である。今回のGWASで解析を行ったサンプル数は5000検体を超え、これは全世界的に最大規模の検体数である。上記解析と併行し、臨床情報を反映させた層別化解析を継続している。これら解析を行うにあたり、随時臨床上も更新している。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
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