研究課題
婦人科がんにおける患者由来腫瘍のin vivoモデル(Patient-derived xenograft: PDXモデル)の構築と腫瘍浸潤リンパ球(Tumor Infiltrating Lymphocytes: TIL)の基礎的検討を引き続き行った。TIL培養に関しては、24well plateを用いて約2週間培養する実験系にて、本年度までで計41症例(卵巣がん34、卵管がん1、子宮頸がん4、子宮体がん1、絨毛がん1)に対して施行した。細胞数に幅はあるものの、卵巣卵巣線維肉腫1例を除く97.6%で回収・保存が可能であった。PDXモデルに関しては、細断した腫瘍細胞塊や腹水由来細胞を用いて、NSGマウスの皮下・腎被膜下への移植もしくは腹腔内に注射しPDX株の樹立を試みた。婦人科がん35例(卵巣がん26例、子宮頸がん5例、子宮体がん1例、卵管がん1例、卵巣がん+子宮体がん1例、絨毛癌1例)のうち、14例で腫瘍生着および継代が可能であった。そのうちの複数例で病理組織学検討にて移植元の形態が継代後も維持されていることが確認されたが、一部の症例では移植時の多様性が失われたPDX株もみられた。同一患者由来でTIL培養とPDXモデルの樹立が可能であった数症例に関して、TILの自己腫瘍反応性をT細胞表面上の脱顆粒マーカーであるCD107aや補助刺激抑制分子のPD-1を指標としてFACSにて評価することが可能であった。次世代シーケンサー技術を用いてNeoantigen候補を抽出し、同候補に対応したmRNAを合成した。そのmRNAを自己の線維芽細胞に遺伝子導入してターゲット細胞とし、TILの反応性をIFN-γ ELISPOT解析で評価することでNeoantigenの同定を行った。さらに同定したNeoantigenを認識するCTLのTCR解析を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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