研究課題
本研究は実臨床に応用できる臨床材料を用いた腫瘍ゲノム解析方法を確立し、さらに腫瘍ゲノムと免疫原性のあるバイオマーカーを同定することである。①実臨床応用にむけての階層的遺伝子変異解析パイプラインの整備を行った。昨年末、高頻度サテライト不安定性(MSI-High)を有する再発固形癌に対する免疫チェックポイント阻害剤PD-1抗体の投薬が保険適応となり、またTumor mutation burden 体細胞遺伝子変異数も免疫チェックポイント阻害剤の感受性マーカーとして報告されている。本研究ではThe Cancer Genome Atlasのデータベースから子宮内膜癌、子宮頸癌、卵巣癌のWhole exome sequenceを用いてMSIおよびTMBを算出し、RNA sequencing gene expression profileを用いて免疫関連遺伝子発現スコア(免疫反応スコア)を算出して、各種婦人科癌のMSIとTMBと免疫反応スコアとの関連を算出するプラットフォームを構築した。②血液を用いた継時的な腫瘍ゲノム診断と免疫原性のある腫瘍抗原の同定を目的として臨床治療経過の中で、特に近年卵巣癌で臨床導入されている分子標的治療薬アバスチンやオラパリブ、ペンブロリズマブを再発治療中に投与する過程で、患者末梢血から経時的にPBMCを採取してきた。これらを用いてT細胞、B細胞レパトア解析により抗腫瘍効果を示す免疫反応性を反映するバイオマーカーを探索する方法を見出した。③マウス卵巣癌細胞株、動物モデルを用いてCRISPR/CAS9システムで免疫チェックポイント遺伝子のPD-L1と同じくB7ファミリーであるB7H3をノックアウトした細胞株を自然免疫マウスモデルに移植することで、フェノタイプ(免疫応答性、浸潤能)の変化を評価し、免疫抑制と浸潤の両面からB7H3が関与している可能性を認めた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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