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2017 年度 実績報告書

リンパ球ホーミングをターゲットとしたサル小腸移植免疫抑制プロトコールの最適化

研究課題

研究課題/領域番号 16H05490
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

星野 健  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70190197)

研究分担者 山田 洋平  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60383816)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード小腸移植 / カニクイザル / 拒絶反応 / リンパ球ホーミング
研究実績の概要

難病である腸管不全に対する唯一の根治的治療である腸管移植が保険承認され、他の臓器移植と比して高率に発症する急性拒絶反応の予防と中長期における安定したグラフト機能の維持が喫緊の課題である。本研究の主目的は、慶應義塾大学小児外科が確立したカニクイザルにおける小腸移植モデルを用いて適切な導入維持療法としてのホーミングをブロックするAnti-α4β7の効果と安全性を明らかにすることである。カニクイザルを用いた腸管移植の報告は世界的にもほとんど存在せず、MHCの統御されたカニクイザルの供給・飼育・管理体制が整備された滋賀医科大学動物生命科学センターで、臨床応用可能な免疫抑制剤の効果を免疫モニタリングとともに解析している。また、ドナーとレシピエント細胞を区別できるMHC抗体を利用して、血液及び腸管リンパ組織での再構築及びキメリズムを解析し、特にケモカインレセプターに着目したCD4T細胞の詳細な解析を行い、腸管拒絶反応との関連性を明らかにする。
これまで、カニクイザルを用いた同種異所性小腸移植を5回施行しており、従来の免疫抑制剤によるrejection free survivalの平均はおよそ4週間程度であることが判明した。またキメリズムの程度と拒絶反応に相関傾向があり、免疫抑制剤の効果判定の副次的評価項目となることが期待される。
グラフトの内視鏡的評価では、マウナケア社のCellvisioシステムを使用してグラフト絨毛のリアルタイムな評価が可能となった。拒絶反応の早期病変としての、絨毛の微細な変化を検出できることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでカニクイザルを用いて同種異所性小腸移植を5回施行したが、従来の免疫抑制剤による拒絶反応フリー生存期間は、およそ4週間程度であることが判明した。また、拒絶反応とドナー細胞のキメリズムとの間に相関関係があり、免疫抑制剤の効果の副次的評価項目として使用することができると考えられる。しかし、当初予想したよりも拒絶反応が起こりにくいというこれまでの結果であり、またPTLDを発症した経緯も鑑みて、新規の免疫抑制剤の効果を判定するためのコントロールとなる群のデータ取得に時間を要している。新規免疫抑制剤Anti-α4β7抗体の取得に関しては、企業側と交渉を続けており、今年度中の入手を予定している。

今後の研究の推進方策

引き続き、同種異所性の小腸移植を行い、キメリズムの程度と拒絶反応フリー生存期間を観察する。新規の免疫抑制剤を取得した際には、コントロール群と比較して拒絶反応及びキメリズムの程度の評価を行う。
新たに、フローサイトメトリーを用いて末梢血中のα4β7表出Tリンパ球の評価、免疫染色を利用した小腸グラフト内でのα4β7表出リンパ球の定量化を予定している。
今年度中に、新規免疫抑制剤Anti-α4β7抗体を使用した小腸移植を3個体に行い、その結果を論文報告する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 小腸移植至適免疫抑制プロトコル作成に向けたカニクイザル小腸移植モデルの確立-維持療法としてのミコフェノール酸モフェチルの効果-2018

    • 著者名/発表者名
      森 禎三郎、山田洋平、星野健
    • 学会等名
      第30回 小腸移植研究会
  • [学会発表] 小腸移植後の至適免疫抑制プロトコル作成に向けて-非ヒト霊長類を用いた臨床的小腸移植モデルの確立-2017

    • 著者名/発表者名
      森 禎三郎、山田洋平、星野健
    • 学会等名
      第53回 日本移植学会総会
  • [学会発表] 小腸移植後の至適免疫抑制プロトコル作成に向けて-非ヒト霊長類を用いた臨床的小腸移植モデルの確立-2017

    • 著者名/発表者名
      森 禎三郎、山田洋平、星野健
    • 学会等名
      第44回 日本小児栄養消化器肝臓学会

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公開日: 2018-12-17  

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