研究課題
miR-142 KO マウス用いた解析により miR-142 は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)感染創の修復に必須であることが明らかとなった。また、独自に miR-142 KO;lys-EGFP マウスを作出し(lys-EGFP マウス:マクロファージ及び好中球特異的に EGFP(緑色蛍光蛋白質)を発現)、in vivo イメージング及び超解像イメージングを用いて創部に浸潤する好中球の時空間的解析を行った。その結果 miR-142 は、small GTPase family(miR-142 の標的 mRNA)と相互作用し、細胞運動を制御していることが明らかにした (Tanaka et al, J Invest Dermatol, 2017)。
2: おおむね順調に進展している
炎症関連 miRNA として同定した、皮膚創傷治癒過程における miR-142 の機能解析を行い、論文発表するに至った。現在は、 miR-142 を含む他の炎症関連 miRNA の in vivo 解析を行うため、ゲノム編集技術を用いて新たな KO マウスの樹立を試みており、研究は問題なく進捗している。以上の理由により、「おおむね順調に進展している」と考えた。
今後は、皮膚創傷治癒研究から得られた結果を、他分野へ応用したいと考えている。具体的には、炎症性疾患や臓器線維化への応用である。また、樹立した KO マウス群を用いて、皮膚創傷治癒研究への利用のみならず、一般的な個体の生理現象を主体とした表現系解析を行い(例:老化)、研究の波及効果を推進したいと考えている。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
J Invest Dermatol
巻: 137 ページ: 931-940
10.1016/j.jid.2016.11.018
Aging Cell
巻: 16 ページ: 339-348
10.1111/acel.12558