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2017 年度 実績報告書

ラクトフェリンの抗破骨細胞形成部位の決定と骨破壊性病変に対するペプチド医薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16H05503
研究機関広島大学

研究代表者

高田 隆  広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 教授 (10154783)

研究分担者 楯 真一  広島大学, 理学研究科, 教授 (20216998)
宮内 睦美  広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 准教授 (50169265)
古庄 寿子  広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (00634461)
安藤 俊範  広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (40754552) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードラクトフェリン / 骨破壊疾患 / 関節リウマチ / 歯周病 / 破骨細胞 / ペプチド医薬 / TRAF6 / TNF-α
研究実績の概要

本研究ではラクトフェリン(LF)のTRAF6結合部位を決定し、活性部位の合成ペプチドの抗炎症作用や破骨細胞形成阻害作用を検討することによって、同合成ペプチドが歯周病や関節リウマチなどの骨破壊性病変に対する有効なペプチド医薬になるかどうかを明らかにすることを目的とした。29年度は、28年度の検討の結果、LPS刺激下で骨芽細胞やマクロファージの産生する破骨細胞形成促進因子の発現やそのシグナル伝達を抑制することを明らかにした合成ペプチド(bLF-peptide 2)とともに、引き続く検討で、同様の抑制効果を示す可能性のある2つの合成ペプチド(bLF-peptide 3とTRAF6-peptide)についてin vitroの検討を行った。その結果、1. bLF-peptide 3とTRAF6-peptideも破骨細胞形成促進に関わるサイトカインの発現やそのシグナル伝達を抑制することが明らかになり、ペプチド医薬として利用できる可能性を示すことができた。2.合成ペプチドの投与方法に関する検討の結果、合成ペプチド水溶液の局所あるいは血中への直接投与で、副作用を示すことなく破骨細胞形成抑制効果を示すことを確認した。3. LPS投与による歯周病モデルを用いた合成ペプチドの破骨細胞形成に対する影響について検討したところ、合成ペプチドが破骨細胞の出現を抑制することを明らかにした。4.関節リウマチに対する検討については、病変誘導に必要な試薬の変更でモデル確立に時間を要したのが、ようやく実験が可能となった。以上の結果から、合成ペプチドを骨破壊性病変に対するペプチド医薬として用いるための動物実験モデルを確立し、歯周病モデルでは合成ペプチドによる骨破壊抑制効果が得られた。これらの結果から30年度に計画しているin vivoの本格的検討の基盤を構築することができた。これらの結果をもとに特許出願も行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

破骨細胞形成に関わるサイトカイン産生を阻害する合成ペプチドが、歯周病モデルを用いたin vivoの検討でも破骨細胞形成を抑制することが明らかとなった。当初予定していた研究が概ね順調に進行していると考える。この結果を受けて来年度はin vivoの本格的検討を計画書に沿って実施する。

今後の研究の推進方策

破骨細胞形成に関わるサイトカイン産生を阻害する合成ペプチドが、歯周病モデルを用いたin vivoの検討でも破骨細胞形成を抑制することが明らかとなった。この結果を受けて来年度はin vivoの歯周病モデルならびにin vivoモデルを確立した関節リウマチモデルを用いて本格的検討を実施する。また、合成ペプチドの最小化を図るため短いペプチドについても検討を追加し、その結果を出願中の特許に追加する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] TRAF6の作用を阻害するペプチド、並びにそれを含むNF-κB及びMAPKの活性化阻害剤、破骨細胞の形成阻害剤、及び医薬組成物2018

    • 発明者名
      高田 隆、楯 真一
    • 権利者名
      高田 隆、楯 真一
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      17095

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公開日: 2018-12-17  

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