• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

バクテロイディア科細菌線毛の形成モデル─X線結晶構造解析と分子再構成実験─

研究課題

研究課題/領域番号 16H05504
研究機関長崎大学

研究代表者

中山 浩次  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (80150473)

研究分担者 今田 勝巳  大阪大学, 理学研究科, 教授 (40346143)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード細菌 / 蛋白質 / 感染
研究実績の概要

平成29年度は以下について成果がみられた。
1.Porphyromonas gingivalis ATCC33277株のFimAタンパク質(Pro領域を含む)を大腸菌にて大量発現させ、高純度で精製を行った。他方、Potempa 博士より分与して頂いたP. gingivalis組換え株からHisタグ付きRgpプロテアーゼを培養上清から高純度で精製した。両者を混和したのち、ポリエチレングリコールにてポリマー分子を濃縮した。酢酸ウランを用いた陰性染色を施し、透過型電子顕微鏡観察を行ったところ、ラセン状の線毛様構造をもつ線維が多数、観察された。V型線毛において初めてin vitroにて線毛様構造を呈するFimA重合体を作製することに成功した。
2.P. gingivalis TDC60株(II型Fim線毛)およびATCC33277株(I型Fim線毛)のFimAタンパク質のX線結晶構造解析を行い、II型FimAタンパク質では1.6オングストロームの解像度で構造が決定できた。I型FimAタンパク質については2.5オングストローム程度の解像度の結果が得られた。
3.線毛様構造をとるI型FimA重合体をクライオ電子顕微鏡にて観察し、画像処理技術を用いて4.5オングストローム程度の解像度の像を得ている。この像にX線結晶構造解析より得られたI型FimA分子構造を当てはめたところ、平成29年度のCell誌に発表した「C末端ストランドをドナーストランドとするドナーストランド交換による重合機構モデル」と合致する予備的な結果を得た。今後、さらにI型FimAのX線結晶構造解析の分解能を上げるとともにクライオ電顕による構造解析の分解能を上げる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

FimAタンパク質のtype Iおよびtype IIの構造をX線結晶構造解析で解析できた。また、in vitroでFimAタンパク質の重合体(線毛構造)を作製でき、クライオ電子顕微鏡解析が可能となった。

今後の研究の推進方策

(今後の推進方策)
1.FimAタンパク質 type IのX線結晶構造解析の分解能を高める。
2.type I, II, IVのFimAタンパク質の重合体についてクライオ電顕での解析を行う。
3.クライオ電顕での線毛構造の解析結果にX線結晶構造解析の結果を当てはめ、「C末端ストランドをドナーストランドとするドナーストランド交換による重合機構モデル」を検証する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Porphyromonas gingivalisの線毛蛋白質FimAの構造2018

    • 著者名/発表者名
      岡田広大,庄子幹郎,中山浩次,今田勝巳
    • 学会等名
      第23回べん毛研究交流会
  • [学会発表] V 型線毛のクライ電子顕微鏡を用いた構造解析2018

    • 著者名/発表者名
      柴田 敏史, 庄子 幹郎, 中山 浩次, Matthias Wolf
    • 学会等名
      第91回日本細菌学会総会
  • [学会発表] Structure of FimA, a major component protein of fimbriae of Porphyromonas gingivitis2017

    • 著者名/発表者名
      Okada K, Nakayama K, Shoji M, Imada K
    • 学会等名
      日本生物物理学会第55回年会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi