研究課題
口腔扁平上皮癌SAS 細胞の低酸素環境によるHIF-1活性の増大がVEGF発現の亢進に関与していることを前提に,HIF-1 decoy ODNsの導入の効果を検討したが,HIF-1 decoy ODNsの遺伝子導入が低酸素環境で12時間培養したSAS 細胞のVEGF mRNA産生を21%に,24時間後のVEGF蛋白産生を32%まで抑制したので,SAS 細胞においても低酸素環境でHIF-1の活性化とVEGF発現亢進が関与していることが示唆された.同時にHVJ-リポソームを用いたHIF-1 Decoy ODNsの導入は,SAS 細胞における低酸素環境によるHIF-1活性を介したVEGF発現亢進の有効な抑制法として応用できることが示唆された.本研究はVEGFの発現に関与する転写因子HIF-1の活性を抑制することで,HIF1が関与する全ての遺伝子発現を同時に抑制することを最大の目的としている.HIF-1は低酸素環境より発現が亢進する他の血管新生因子群(PDGF-BB,Angiopoietin-2,NOSなどや近年,血管新生因子としても注目されている外因系凝固因子の組織因子などの多彩な遺伝子発現に関与しているとされており,HIF-1 decoy ODNsの遺伝子導入がそれらの血管新生因子群も抑制しているかについては今後の検討が必要である.本研究では現在まで転写因子Sp1やAP-1のdecoy システムが,癌細胞が産生する複数の血管新生因子や基質破壊酵素を同時に抑制できることを証明した
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