研究課題/領域番号 |
16H05514
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石河 真幸 東北大学, 大学病院, 助教 (60432936)
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研究分担者 |
福本 敏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30264253)
齋藤 正寛 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40215562)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歯科保存 / 再生 |
研究実績の概要 |
初年度にマウスの搬入に問題が生じたためにin vivoでの解析ができなかったため全体的に少し遅れが生じている。H29年度はマウスを搬入を行いin vivo解析を促進できた。Panx3 KO mouseの解析に関しては以下のことができた。1 .骨形成にお けるP a n x 3 K O マウスの解剖学的解析:Panx3 KO マウスを用いて、発生、発達および細胞分化の経過を組織学的手法により観 察した。結果、Panx3 KOマウスにおいて骨形成に異常が認められた。新生児Panx3 KO mouseは体が小さい。また、骨モデルおよびμCT解析により骨の形成不全が確認された。さらに組織学的に詳細を解析するとprehypertrophic zoneの延長およびhypertrophic zoneの縮小が認められ、組織から抽出したRNAおよびタンパクに対してPCRやwestern blotによりchondrocyteおよびosteoblastの分化マーカーの発現比較をした結果、chondrocyteおよびostyeoblastの分化抑制が認められた。さらに、BrdUやKi67の免疫染色により細胞増殖は促進していた。さらにWnt signalの下流であるAxin-lacZ mouseと交配しても、lacZ positive細胞が多く観察されたことからも細胞増殖は促進され、分化へのシフトが阻害されていることが示唆された。また、chondrocyteの最終分化期に必要な血管侵入の抑制も認められ軟骨内骨化異常、つまり、軟骨から骨への転換に異常が確認された。このことからPanx3は新しい骨形成制御因子であることが示され、また血管侵入に関しても制御している因子であることが示唆された。ただ、全体的な遅れからPanx3/Cx43 double KO mouseの解析に関してはdounle KO mouseの作製までとなり、解析とまでは行かなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度にマウスの搬入に問題が生じたためにin vivoでの解析ができなかったため全体的に少し遅れが生じている。ただ、搬入後は比較的順調に進行しており、今後このペースを守って頑張って行きたい。
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今後の研究の推進方策 |
Panx3/Cx43のdouble KO mouseの解析。1.Panx3とCx43を介した骨再生機構の解析:解 剖学的および組織学的に表現型を解析 し表現型をPanx3 KOおよびCx43 KO mouseと比較検討する。2. Double KO mouseよりprim ary 軟骨芽細胞および骨芽細胞を抽出し、Panx3 KO マウスおよびCx43 KO マウスのprimary 細胞との分化機構および機能不全 によるシグナル変動の比較検討を行う。 また、予定していた歯周病モデルへの応用を目指す。1.Panx3 ブロッカーの作製とその効果の測定実験; Panx3 hemcihannelに 対する特異的抗体およびpeptideを作成し、まずは細胞レベルでPanx3 hemichannelの機能阻害を確認する。2.歯周病モデルマウ スにおけるPanx3を応用した骨再生実験;絹糸結紮を使用し歯周炎を人為的に誘発させた歯周病モデルマウスを作製する。その後 、それぞれのKO mouseにおける歯周炎の程度およびそれに関わる免疫細胞の胴体および骨破壊の状況を組織学的および生化学的 手法を用いて比較検討する。3.歯周病モデルマウスに対してPanx3 ブロッカーを応用した抗炎症実験;Panx3 hemichannel特異的 ブロッカーを使用して歯周病モデルにおいてどの程度歯周病抑制が起こるか比較検討する。ブロッカーを局所投与するかまたは 絹糸に染み込ませた状態で歯周病モデルを作製し、組織学的および分子生物学的手法により病態を観察する。
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