研究課題
本年度においては2型糖尿病モデルラット(SDT-fatty)の臼歯に対して、歯髄内石灰化の様相を反射電子を用いたBlock Face imaging(BFI)にて評価した。さらに、免疫組織化学的手法にて、石灰化と関連があると考えられる糖化最終産物(AGEs)の一種であるpentosidineの局在を調べた。結果として、石灰化時期は糖尿病ラットにおいて12週齢以降の血糖値が高値(1000mg/dl付近)に安定した状態で急激な歯髄内石灰化が観察されることが分かった。歯髄内石灰化は、象牙前質とも離れた歯髄内に多く存在し周囲に顆粒状石灰化と思われる構造も観察された。HE染色像から細管構造や細胞組織が認められる物も存在した。細胞組織の周囲に石灰化像が確認できるが染色から細胞はすでに死滅している場合が散見され細胞死と石灰化の関連も考えられる。免疫染色像では、象牙前質から象牙質にかけてpentosidineの分布が拡散していく様子を示していた。さらにRAGE(Receptor of AGEs)の免疫染色も石化化が始まる時期から急激に促進しており、AGE-RAGE系が石灰華に関与していることも想定される。また、SDおよびSDT-Fattyラットの切歯歯髄に関するマイクロアレイ解析から、石灰化亢進期においてはS100タンパクの有意な増加が確認されS100及びAGEs-RAGE系が石灰化に与える影響も考えられる。総括として、糖化による基質内の狩る簿記市メチルリジン(CML)および架橋型AGES(pentosidine)の産生及びRAGEの発現が観察され同時に炎症に関与しているとされるS100たんぱく質なども関わり①細胞死に関連した石灰化の更新および②高血糖状態によるAGEsが基質の修飾やRAGEとの関与により石灰華を誘導している可能性が考えられる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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