研究課題
本研究の目的は、カーボンナノ物質 (CNMs)のデンタルインプラントやGBR(Guided Bone Regeneration)法などの骨再生への応用へ向けて、CNMsの生体内での分解性を制御し、抗生剤とグロースファクターなどの薬剤を担持したうえで徐放を制御できるようにすることである。CNMsの一種であるカーボンナノホーン(CNHs)は大気中で酸化させることにより、多孔性となり内部への他物質の吸着が可能となる。未処理(As grown), 550度で大気酸化(CNHox550)、575度で大気酸化(CNHox575)の各種CNHをラット皮下組織に埋入したところ、短期間では構造にはほとんど変化はみられなかった。これらのCNHsを、ミノサイクリン(MC)水溶液と混和させると分散性が向上した。吸光度測定と熱重量解析の結果、CNHsに吸着するMCの存在が確認され、in vitroでの静菌性を確認したところAggregatibacter actinomycetemcomitans (Aa菌) に対し、MCと同等の効果を示した。このMC/CNHに、近赤外光 (850nm) を照射して徐放量を比較したところ、近赤外光によって徐放が促進されることが示された。以上の結果から、CNMsへの抗菌剤を担持させ、徐放を制御することが可能であることが示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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ACS Applied Nano Materials
巻: 2 ページ: 1382-1390
10.1021/acsanm.8b02267