研究課題/領域番号 |
16H05524
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
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研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
大島 正充 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 准教授 (00548307)
大野 彩 (木村彩) 岡山大学, 大学病院, 助教 (20584626)
大橋 俊孝 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50194262)
渡辺 亮 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (60506765)
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | BMP-2 / 骨髄環境 / 骨形成 / 骨吸収 |
研究実績の概要 |
強力な骨誘導活性のある骨形成タンパク質(BMP)-2の応用は,補綴歯科治療においても,非常に有効な骨再生療法として期待されている.一方,申請者らは,骨髄腔内においては逆に,BMP-2が骨形成を著明に抑制する事を明らかにした.作用部位によって全く逆の効果を示すBMP-2の応用は,確実な骨造成を目指す上で問題がある.本申請研究では,骨髄内でのBMP-2による骨誘導抑制メカニズムを解明し,それを制御する事で骨髄内でより効率的なBMP-2誘導骨造成法の開発に繋げる.更に,造血幹細胞ニッチである骨髄腔を制御する事で,骨髄腔が狭窄する大理石骨病やその他の骨代謝疾患に対する新規治療法開発の基盤を構築する. 平成28年度に骨形成,吸収に関わっている骨芽細胞,破骨細胞がトラッキングできるCol1a1-GFPマウス,Trap-Tomatoマウスを入手した.さらに,造血幹細胞ニッチの形成に関わるCXCL12陽性細胞をトラッキング可能なCXCL12-GFPマウスも入手した.平成29年度はこれらのマウスを用い,BMP-2が骨髄内の細胞に与える影響を検討した.その結果,マウスカルバリアでは,BMP-2の移植部位に骨芽細胞,破骨細胞ともに誘導されたが,骨髄内において,BMP-2の移植部位には骨芽細胞は誘導されず,破骨細胞のみが誘導されることが明らかとなった. また,in vitro実験において,骨芽細胞分化を抑制している因子として,骨髄細胞が直接関与していることを明らかとした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,BMP-2の骨髄内での骨形成抑制メカニズムを明らかにするため,骨代謝に関わっている様々な細胞がトラッキング可能なマウスを入手して解析を行い,骨髄内のどのような細胞がBMP-2誘導性骨形成を抑制しているのかを明らかにしており,概ね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は,CXCL12-GFPマウスの解析を行い,骨髄内に投与されたBMP-2が骨髄内の造血幹細胞ニッチに与える影響を検討する予定である.また,現在骨髄細胞がBMP-2誘導性骨芽細胞分化を抑制していることを明らかにしており,今後骨髄のどの細胞が関与しているかを明らかにする予定である.
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