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2017 年度 実績報告書

体外での生体組織成長制御を目指すメカノ・ケミカルコントロール環境の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16H05533
研究機関岡山大学

研究代表者

松本 卓也  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40324793)

研究分担者 山本 雅哉  東北大学, 工学研究科, 教授 (10332735)
平野 義明  関西大学, 化学生命工学部, 教授 (80247874)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード細胞操作 / 組織操作 / バイオマテリアル / バイオメカニクス
研究実績の概要

昨年度は唾液腺自己組織化については、化学的刺激としてフィブロネクチン存在下での自己組織化検討を試み、この基質添加によりコントロールよりも有意に唾液腺組織の管腔形成が促進されることを発見した。この事実について、in vitroでの組織培養実験においても確認を進めた。また、この影響は濃度依存であることも確認している。同時にRGDペプチドを用いた実験を行い、このペプチドを導入したゲル上での唾液腺組織成長について評価を進めた。さらに、フィーダーレイヤーとしての間葉系幹細胞の有効性について検討を進め、細胞数の変化や細胞層を重ねたレイヤー バイ レイヤーでの状態で唾液腺組織の成長を評価した。これら実験を通じ、間葉系幹細胞をフィーダーレイヤーとした唾液腺組織の成長制御を達成する新しい培養系構築に成功した。これら結果は2つの論文として、1つはアクセプトされ出版済み、1つはレビューの段階にある。
また、硬組織石灰化過程の詳細な検討を進め、細胞膜断片がミネラル形成の核形成部位であることや、肥大化した軟骨細胞の小規模な破裂の結果、石灰化形成のためのスペースができることなどを明らかにした。この結果をもとに、実際に機械的な刺激を加える実験系を構築、それにともなう細胞の破裂数やミネラル形成スペースの変化などを検討した。また、この結果、生じる結晶形態、ならびに結晶成長についても評価を行った。これら成果は骨組織成長制御における機械的刺激の有効性を示しており、2つの論文として昨年度国際誌に発表すみである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

軟組織、硬組織双方の物理科学的環境理解とその再現、さらにその結果生じる現象のメカニズム解明について、当初の予定どおり進めることができている。結果的に昨年度は本研究プロジェクトのコアとなる論文を複数発表することもできた。これらのことから、本研究は概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

唾液腺組織のin vitroでの再構成ならびに成長制御について、様々な方法が考案できたのでこれら手法の利点、欠点を明確にし総合的なレビューペーパーを執筆する予定である。また、基礎実験としては特に硬組織に特化して進め、特に細胞膜断片の有効利用を中心に刺激負荷と組織成長制御を目指した新しい培養系構築を進めていく。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Chondrocyte burst promotes space for mineral expansion2018

    • 著者名/発表者名
      Hara ES、Okada M、Nagaoka N、Hattori T、Iida LM、Kuboki T、Nakano T、Matsumoto T
    • 雑誌名

      Integrative Biology

      巻: 10 ページ: 57~66

    • DOI

      10.1039/C7IB00130D

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bioinspired mineralization using chondrocyte membrane nanofragments2018

    • 著者名/発表者名
      Hara ES、Okada M、Nagaoka N、Hattori T、Kuboki T、Nakano T、Matsumoto T
    • 雑誌名

      ACS Biomaterials Science and Engineering

      巻: 4 ページ: 617-625

    • DOI

      10.1021/acsbiomaterials.7b00962

    • 査読あり
  • [雑誌論文] MCSF orchestrates branching morphogenesis in developing submandibular gland tissue.2017

    • 著者名/発表者名
      Sathi GA, Farahat M, Hara ES, Taketa H, Nagatsuka H, Kuboki T, Matsumoto T
    • 雑誌名

      J Cell Sci

      巻: 130 ページ: 1559-1569

    • DOI

      10.1242/jcs.196907

    • 査読あり
  • [雑誌論文] MSCs feeder layers induce SMG self-organization and branching morphogenesis.2017

    • 著者名/発表者名
      Farahat M, Sathi GA, Hara ES, Taketa H, Kuboki T, Matsumoto T
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 12 ページ: e2017

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0176453

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Reevaluation of bone tissue development2018

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto T
    • 学会等名
      日中韓フォーサイト シンポジウム
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 細胞を原料とした新規バイオミメティック骨誘導材料2018

    • 著者名/発表者名
      松本卓也
    • 学会等名
      日本化学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Reevaluation of bone tissue development2018

    • 著者名/発表者名
      松本卓也
    • 学会等名
      日本再生医療学会
    • 招待講演
  • [図書] 医療・診断を支えるペプチド科学(平野義明 編)2017

    • 著者名/発表者名
      松本卓也
    • 総ページ数
      315
    • 出版者
      CMC出版
    • ISBN
      4781312675
  • [備考] 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 生体材料学分野

    • URL

      http://www.okayama-u.ac.jp/user/biomat/

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公開日: 2018-12-17  

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