研究課題/領域番号 |
16H05535
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
古江 美保 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヒト幹細胞応用開発室, 研究リーダー (80257310)
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研究分担者 |
菅 三佳 (岸本三佳) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヒト幹細胞応用開発室, プロジェクト研究員 (00340448)
二川 浩樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (10228140)
福田 隆之 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヒト幹細胞応用開発室, 特任研究員 (20708771)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | iPS細胞 / 頭部神経堤 / 毒性・安全性評価 |
研究実績の概要 |
口蓋裂は、額顔面領域で最も頻度の高い先天異常のひとつである。病因は解明されていないが、妊娠時服用薬剤による影響もそのひとつであると考えられている。広く利用されている動物実験による薬剤毒性予測では種差や系統差が大きく、現状での予測は難しい。近年、様々な歯科材料が開発されており、歯科材料が口蓋裂の原因となるようなことがあってはならない。これまでの発生時期ヒト由来細胞を入手することは困難であったが、申請者らはヒトiPS細胞から頭部神経堤細胞の誘導に成功した。そこで、「歯科用新素材の頭部領域形態形成異常への影響の評価」を目標として、ヒトiPS細胞由来頭部神経堤細胞を用いたin vitro薬剤発生毒性評価系(NCC-based-assay)を構築することを本研究の目的とする。平成28年度は、新規歯科材料の毒性/安全性を検証するためのアッセイ系の構築について検討した。何らかの毒性を持つあるいは毒性を阻害する可能性のあるマテリアルを排除し、正確に対象の歯科用素材の毒性・安全性を評価できる系を構築する必要があるため、NCC-based-assayに用いるすべてのマテリアルについて検討をおこなった。ヒトiPS細胞株からの頭部神経堤細胞誘導、NCC-based-assay に適した培地組成の改良をおこない、さらにNCC-based-assay に適した培養器材について検討を進めた。頭部神経堤細胞誘導ならびにNCC-based-assayに適したヒトiPS細胞株ならびに培養条件を検討し、選定した。また、既存の歯科用素材や国内外で多数開発されている新規の歯科用材料の毒性/安全性についても調査を実施し、NCC-based-assayで評価するための溶出方法や添加方法について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)新規歯科材料の毒性/安全性を検証するためのアッセイ系の改良を行う。前年度に引き続き、ヒトiPS 細胞株からの頭部神経堤細胞誘導、NCC-based-assay に適した培地組成の改良、NCC-based-assay に適した培養器材の改良を行う。さらに、ヒトにおいて妊娠時服用による口蓋裂が報告されている薬剤の体内動態予測・毒性検出の結果を受けて、構築したNCC-based-assay の改良を進める。 (2)これまで開発してきた歯科用新素材(例:乳酸菌由来抗菌ペプチドKog1/2、塩基性抗菌ペプチドJ H8194、固定化抗菌剤Etak、DLCコーティングチタン板等)や、国内外で多数開発されている新規の歯科用材料の毒性/安全性について、構築・改良したNCC-based-assay を用いて検証するための方法を検討する。歯科用新素材に含まれる各成分について、(1)と同様に体内動態予測を実施する。歯科用新素材に含まれる成分の毒性をNCC-based-assay で検証するために、各成分の溶出方法を検討する。溶出後の各成分の安定性や反応性についても検証する。体内動態予測結果をもとに、溶出した歯科用新素材の各成分をNCC-based-assay の培地に添加する方法(濃度、時間、回数を含む)を検討する。検討した歯科用新素材に含まれる各成分の溶出方法、検討方法を用いて、複数種の歯科用新素材の毒性評価を上記で構築、改良したNCC-based-assay により行う。NCC-based-assay の結果をもとに、評価した歯科用新素材の安全性について検証する。
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