研究課題/領域番号 |
16H05536
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00224957)
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研究分担者 |
竹内 康人 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特別研究員(PD) (10735187)
大賀 則孝 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40548202)
佐藤 淳 北海道大学, 歯学研究院, 講師 (60319069)
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
犬伏 正幸 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70399830)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 分子イメージング / FMISO / 低酸素 / 治療抵抗性 / 口腔がん / 臨床研究 / 動物モデル / 核医学(PET) |
研究実績の概要 |
PET/SPECT同時収集イメージングと同様の条件で飼育した担癌マウスに、18F-FMISO/125I-あるいは64Cu-ATSM/125I-を投与した後、皮下腫瘍を摘出し、オートラジオグラフィーによるイメージングを行った。その結果、18F-FMISOと64Cu-ATSMの腫瘍内集積分布は異なるものであった。また、低酸素遺伝子応答集積分布(125I-)とのオーバーラップに着目すると、64Cu-ATSMの集積分布よりも、18F-FMISOの集積分布の方が、より広く低酸素遺伝子応答集積分布(125I-)とオーバーラップしていた。このことから、PETトレーサー集積を利用した強度変調放射線治療などの放射線治療における照射範囲の決定には、64Cu-ATSMの集積分布よりも、18F-FMISOの集積分布の方が適していることが明らかになった。 FMISO-PETのTMR>1.25 の領域の容積から腫瘍内の低酸素容積:HVを算出することができた。またFDG-PETからSUV > 2.5 の領域をMTV (metabolic tumor volume) として算出した。OSCC内のHVは0~7.1 mlで、HV ≧ 3.6ml のOSCC患者さんの予後はHVが3.6ml未満の患者さんの予後に比較して無病生存率が有意に低く、 局所再発率は有意に高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究によって多くのデータが得られた。研究成果を多くの国際学会で発表し一流雑誌に論文として結実させている。
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今後の研究の推進方策 |
Ⅰ.遺伝子発現と細胞内酸化還元状態という2つの面から癌の低酸素状態をin vivoで評価できる。 Ⅱ.クリニカルPET 世界に先駆けて北大で合成・開発された新規低酸素イメージング剤[18F]DiFA研究を推進する。本研究は「口腔癌の低酸素イメージングモデルの構築」を目指す、国内外をみても最先端を行く実現性の高い研究であると確信する。QOLに関わる機能や審美性が重要視される口腔癌治療における本研究の意義は非常に大きい。
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