研究課題
口腔外科の臨床においては、顎顔面骨骨折など、骨再生が必要とされる状況が多いが、骨代謝メカニズムの正確な理解に基づいた骨再生治療法が開発されれば、骨再生が必要な疾患の治療において安全で優れた効果が期待できる可能性が高い。われわれは、細胞周期関連分子Cdk6の骨軟骨代謝における機能解析において世界をリードする研究成果を挙げてきたものと自負しているが、本研究はこれまでの研究成果の発展形として、Cdk6に制御されるmicroRNAの中で骨代謝・骨格形成において重要な機能を有するものを網羅的に探索することを通して、骨代謝制御メカニズムのさらなる理解を深めるとともに、その結果を利用した新規骨再生治療法開発に向けた基礎的検討を行うことを目的として企画された。本年度は、前年度までの研究に引き続き、骨芽細胞分化において重要な機能を果たすと同時にCdk6によって、その発現が制御されると想定されるmicroRNAの同定を試みた。具体的な方法としては、野生型マウスならびにCdk6欠損マウス由来骨芽細胞を用いたmiRNAシークエンス、複数のmicroRNAアレイ、複数条件下におけるクロマチン免疫沈降シークエンスの結果をバイオインフォマティクス解析に供し、既知の論文報告やシグナルネットワークも考慮して、Cdk6によって発現が誘導されるmicroRNA(約150個)の中から、骨芽細胞分化において重要な機能を果たしている可能性の高いmicroRNAを35個選択した。また、同様の手法でCdk6によって発現が抑制されるmicroRNA(約160個)の中から、骨芽細胞分化において重要な機能を果たしている可能性の高いmicroRNAを20個選択した。さらに、それらのmicroRNAがターゲットとしている遺伝子を複数同定した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Stem Cells Int.
巻: 13 ページ: 2421453
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巻: 133 ページ: jcs243840.
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http://plaza.umin.ac.jp/~oralsurg/