口腔扁平上皮癌患者の術前血清のサイトカインアレイにより予後因子との相関を認めた IL-6/8 および TNF-αのうち、IL-6 についての検討を行った。IL-6 につ いては、clinical stage1-2 グループの予後と相関が認められ、さらに、センチネルリンパ節生検を併用することにより、高い予知性が得られるマーカーである ことが示唆された。また、局在においては、癌間質の主成分である癌関連線維芽細胞における局在が強いことより、患者検体より正常部線維芽細胞および癌関連 線維芽細胞を分離培養し、ELISA にて IL-6 の分泌量を測定し、癌関連線維芽細胞からの有意な分泌促進が認められた。さらに、VEGFA との相関関係が認めら れ、腫瘍の血管新生との因果関係について検討を行った。vivo においては、抗 IL-6R 抗体薬を使用し、抗腫瘍効果が認められた。臨床検体の検討においては、 後発リンパ節転移や局所再発との関連性が示唆されており、センチネルリンパ節、非センチネルリンパ節の解析をすすめ、リンパ管新生との関連を認めた。
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