研究課題/領域番号 |
16H05547
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
本田 一文 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (10260936)
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研究分担者 |
森 泰昌 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (00296708)
吉本 世一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (00462242)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ACTN4 / 遺伝子増幅 / Ⅰ/Ⅱ期舌がん / 抗体基盤プロテオミクス / チロシンキナーゼ |
研究実績の概要 |
舌がんは口腔がんの中で最も頻度が高く、StageⅠ/Ⅱ期舌がんでは根治的に舌部分切除術を行ったにも関わらず、26.8-48.2%で局所再発のない後発頸部リンパ節転移を認める。舌がんの後発頸部リンパ節転移は予後不良因子であり、後発頸部リンパ節転移ハイリスク群の予測は治療方針の決定や経過観察において重要である。前年度StageⅠ/Ⅱ期舌がん53例のACTN4タンパク質とFISHによるACTN4の遺伝子増幅を調査しその予後解析を行い、ACTN4タンパク質陽性であってもACTN4ーFISH陰性であれば、watchful waiting strategyを選択できる可能性やACTN4ーFISH陽性であれば選択的頸部郭清術や補助化学療法を積極的に行うといった治療の選択の一助となる可能性が示唆された。本年度はこれらの結果について論文にまとめて発表した。 また、抗体基盤プロテオミクスによって予後不良舌がんに高発現するチロシンキナーゼを同定し、その機能解析を行った。リン酸化プロテオーム解析によってこのチロシンキナーゼはプリン代謝酵素のリン酸化と関係することも同定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
舌がんの転移活性化を評価するためのバイオマーカーとしてのACTN4の論文が今年度国際学会誌へ掲載された。また、ACTN4のバイオマーカー実用化に向けて、肺がんの分野では「AMED革新的がん医療実用化研究事業」の支援体外診断薬承認のための臨床性能試験実施に向けた、PMDAとの薬事戦略相談が開始された。Ⅰ/Ⅱ期舌がんに対する新たなバイオマーカー候補として同定されたチロシンキナーゼの機能解析も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
新たに同定されたチロシンキナーゼを用いた創薬またはドラッグリポジショニングを目指して、チロシンキナーゼの薬理作用点や細胞増殖抑制機能の解析を進んる予定である。
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