研究課題/領域番号 |
16H05549
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
上岡 寛 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80253219)
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研究分担者 |
加来 賢 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30547542)
原 徹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, 主任研究員 (70238161)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 形態計測 / 機械的刺激 / 骨 / コラーゲン線維 |
研究実績の概要 |
1. 骨内機械的刺激負荷装置の開発 E. Jager博士と具体的な装置の作製について研究打ち合わせをスカイプを用いて行った。その後、骨内機械的刺激負荷装置(IOLA:IntraOsseus Loading Appliance)の起動部分(可動部)の詳細な構造についてメール会議を行った。その結果、今回試料として用いるニワトリ胚頭蓋骨への取り付け基部の開発が必要であることがわかった。また、ニワトリ胚頭蓋骨は、場所により骨モデリングの程度が明確に異なることがアリザリンレッド染色した像からわかることから、骨形成初期から、石灰化が進み成熟した部分までを観察対象部位として特定することができるようになった。IOLAの起動部分は、タングステン針を用い、表面を金メッキしたのちに、光成形でチップの先にPolypyrroleをコーティングすることによって作製することとした。この起動部分を目的とする場所に差し込み取り付けることによって、同一試料での異なる成長部位での様々な様式の機械的刺激が同時に可能となった。IOLAの固定には、マイクロインジェクターシステムを用いて検討している。 2. 異なる骨成長部位におけるコラーゲンネットワーク3次元再構築 まず最初に、異なる成長部位でのコラーゲンネットワークの形成、コラーゲン線維の集束度の測定を形態計測的に行った。物質・材料機構に設置されている直交型FIB-SEMは、従来の傾斜型FIB-SEMでのSEM観察が、FIB加工面に対して、傾斜してなされるために画像の解像度に大きな問題が生じていたが、これを原らが飛躍的に改善したものである。我々は、この直交型FIB-SEMにより、コラーゲン線維を認識できる解像度(1ピクセル=25nm)をもち1辺が25μmの立方体の領域に存在する骨系細胞も同時に立体構築でき、この研究の論文発表を準備している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、Edwin Jager先生との研究打合せを行い、IOLAの起動部分の設計について議論を行った。また、平成29年度中に来日を依頼しており具体的な装置の作製について詳細な検討を行う予定である。また、コラーゲン線維劣化モデルマウスについては、加来先生とも研究打合せを2017年4月に行う予定である。さらに、コラーゲン線維の形態計測については、現在論文投稿の準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度、Edwin Jager博士は、JSPSのBridge fellowshipのAlumni Assiciationが主催する海外在留奨学金に申請しており、その助成を受けることができれば、再び直接IOLAの起動部分についての具体的な研究を進めることができる。また、さらに平成28年度計測可能となったコラーゲン線維の形態計測方法については、投稿準備を行う。さらに、コラーゲン劣化モデルについては、研究分担者の加来先生との研究打合せを2017年4月に行い具体的なマウスのモデルについて検討をすすめることとしている。
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