研究課題/領域番号 |
16H05556
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
相田 潤 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (80463777)
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研究分担者 |
山本 龍生 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20252984)
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
坪谷 透 東北大学, 歯学研究科, 助教 (30650650)
小坂 健 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60300935)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口腔の健康 / 認知機能 / 歯科保健 |
研究実績の概要 |
これまで我々は、口腔の健康と認知症発生、原因の一部となる脳血管疾患の発生、認知症を含む高齢者の要介護状態の発生の関連について研究を行ってきた。今回、認知症の予防に寄与するエビデンスを得るため、回復する可能性のある軽度認知障害(MCI)や主観的な認知機能(SCI)と口腔の関連を検討することとした。平成28年度は、疫学調査の実施が研究の中心である。これまでの口腔の健康や認知機能に関する論文をレビューし、調査する内容について決定し質問紙を作成した。そして高齢者を対象とした健康や生活習慣、社会的決定要因に関する疫学調査を実施し、質問法の郵送調査にて口腔の健康や認知機能に関する情報を収集した。口腔の健康状態としては、現在歯数、主観的な噛み合わせの状態、義歯やインプラントの利用の有無、食べにくさやむせることの経験、口の渇き、主観的な口腔のQOL、口腔の困りごと、歯科受診、歯みがきやその他の口腔清掃の習慣、間食頻度、歯の喪失経験義歯の清掃についてである。主観的な認知機能は記憶や物忘れについて先行研究で用いられている指標とした。そのほか、全身の健康状態や生活習慣に関する内容についても調査を行った。この疫学調査は、日本老年学的評価研究プロジェクトの一環である。これまで2010年、2013年にも調査を実施しており、今回の調査はそれらの過去の調査とデータ結合をすることで、口腔機能や認知機能の経年的な推移が把握できるようになり、今後の分析により両者の時間的な前後関係が明らかになることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の余震の大きな地震による調査の遅れなどがあり、予定よりは遅れたものの、調査は完了した。
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今後の研究の推進方策 |
調査データのクリーニングや、過去のデータとの結合を行い、口腔と認知機能の解析をスタートしていく。最初は単年度の横断データにより、軽度認知障害の有無をアウトカムにして、口腔の健康状態の関連のロジスティック回帰分析による検討を行う。その際、性別、年齢、社会経済状況、健康状態、保健行動などの共変量の調整を行う。口腔の健康状態としては咀嚼機能を用いることを検討する。またその解析結果をもとにして、複数年度の認知機能の変化と口腔の健康状態の変化を考慮した縦断データ分析の方法の検討を行う。
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