研究分担者 |
赤津 裕康 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00399734)
橋詰 良夫 医療法人さわらび会福祉村病院長寿医学研究所, 神経病理研究所, 所長 (70106227)
佐藤 聡 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (70235357)
両角 祐子 (廣木祐子) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (90318551)
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研究実績の概要 |
●歯周病を惹起させたADモデルマウスを使った研究から、歯周病における慢性炎症が脳内に波及し、それによって脳内Amyloid betaタンパク質産生増加、サイトカインレベルの上昇を来たし、AD病態悪化と認知機能障害を誘導することを明らかにした(NPJ Aging Mech Dis, 2017)。「歯牙欠損」や「液体食」とAD分子病態についても検討し、臼歯を抜歯すると認知機能低下をきたすこと、その原因は、脳内Amyloid betaタンパク質沈着の増悪ではなく、三叉神経求心路の刺激の低下による海馬CA1, CA3領域の神経細胞脱落である可能性を指摘した(Gerodontology, 2015; BMC Neurosci, 2017)。 ●一方、液状食で飼育したマウスでも、認知機能障害、海馬CA1, CA3領域の神経細胞脱落ならびにBDNのシグナルカスケードの低下を見出した(J Neurosci Res, 2014;J Neurosci Res, 2018 ) 。以上から、同じ口腔疾患であっても、その病態の違いにより認知症を起こすメカニズムには大きな違いがあることを明らかにした。 ●また、認知症患者に対して歯周病治療・口腔ケアの介入によって認知症進行を抑止するかどうかを検証する臨床研究を認知症患者40名を対象に行った(文部科学省基盤研究B-当該研究)。その結果、歯周病治療・口腔ケア介入群では、認知症の進行が予防されることを示唆するデータを得た。
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